夕方からちづると飲みに行くことにした。
ちづるが飲みに行くのはあの胆石以来だから、ある意味快気祝いということもできる。
私としては家計子さんにおごってもらえるチャンスだ。
行くのはいつもの居酒屋よりちょっと高級なお店だ。
店まで歩きながらの話題は、昨日観た『君たちはどう生きるか』のことだ。
この映画は今までのジブリ作品を思い出せるシーンが多くあった。
たとえば、「このシーンの景色は『千と千尋の神隠し』のシーンと似ている」とか、
「あの時の主人公の動きは『ラピュタ』のあのシーンを思い出す」というようなことだ。
店について飲み始めてからも、その話は続いていた。
昨日の映画を思い出しながら「あそこはアレに似ている」を探している。
また一つ思い出した。
「あのシーンは、あの、ほれ、アレを思い出した」
思い出したと言いながら、その映画のタイトルが出てこない。
「あの、飛行機を作る人の話」
「あー、アレな。えーとなんやったかな?」
二人とも思い出せない。
検索すればいいのだが、ここはなんとか自力で思い出したい。
なにしろジブリの有名な映画なのだ。
こういうのを思いだすことが、弱ってきている脳の鍛錬にもなるのだ。
「5文字やったと思う」と私。
「なんか『空青し』みたいな文語調やったと思う」とちづる。
しかしその後もなかなか思い出せない。
しばらく考え続けてピンときた。
これを言えばちづるが思い出すはずだ。
「松田聖子の歌に出てくる『風立ちぬ』みたいな感じと違った?」
「あーそうそう、そんな感じ」
ちづるも賛成してくれたが、答えは思い出せないようだ。
それからもしばらく考えていたがなかなか出てこない。
そのうちちづるがこう言いだした。
「なあ、『風立ちぬ』でええんとちゃう?」
これはいよいよスマホに頼るときが来たのかもしれない。
『風立ちぬ』で検索したら、あの映画のポスターがドーンと出た。
正解やないか。
二人でためいき。

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「置き換えられた記憶がほらあちこちに散らばっているわの絵」でよろしい?