母はもうこんなことはしない、という先入観を持つのは危険だ。
おさまっていた困った習性がときどき頭をもたげることがある。
調子の波で何がよみがえってくるかはわからないから気を抜いてはいけないのだ。
例えば先日は、もうしないと思っていた洗い物がしてあった。
自分の使った茶碗と箸はわかるのだが、なぜか使っていない保存容器まで重ねられていた。
母が洗ったことはわかるのだが、ちゃんと洗えているとは思えない。
だいたい洗い桶にたまった水でちゃぷちゃぷとするだけだ。
となるともう一度洗い直さなければならない。
別のに日、私が煮炊きをしていると、母がぼんやりとこう言った。
「そのガスコンロ、使えるんやねえ」
母が何度も鍋を煮詰めたり焦がしたりするので元栓を閉めるようにした。
そのうち、私やちづるが料理していても何も言わなくなっていたのに、ふいに気付いたようだ。
やはり元栓は閉めなくては危ない。
さて、昨日もちづると実家に行ってお昼の用意をしていると、ちづるが気がついた。
「財布がない」
あら~、久しぶりに聞くセリフだ。
以前は母がやたらと財布を隠すので往生していた。
とはいえ、母の行動範囲は以前よりせまくなっている。
タンス、食器棚、冷蔵庫、引き出し、シルバーカー、座布団の下、こたつなどをざっと探したが見つからない。
でも大丈夫、あの頃何度も悩まされたので、発信機を取り付けたのだ。
親機のボタンを押すと、子機が「ぴぴぴ」と反応する。
すぐ見つかると思ったので使わなかったが、めんどくさいので文明の利器の力を借りよう。
サイフに取り付けた子機の色のボタンをスイッチオン。
久しぶり過ぎて電池が切れていた。
本腰を入れて探すしかない。
3度目の捜索でよくいれていた普通の引き出しから発見された。
奥の方に突っこんであって、そのせいで引き出しが半分しか出なかったのでわからなかったのだ。
試したら、第二サイフとカバンにつけた子機も鳴らなかったので、電池三つ交換だ。

↑探してる間中ずっと母が「なに探しとるの?」と訊いてくるのよクリックしてね。
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>久しぶり過ぎて電池が切れていた(あ、やっぱり、思ったことが当たっててなんか嬉しい)
でもすぐ解決して良かった良かった。
そういや相方の名前は無かったね。
https://blog-imgs-139.fc2.com/t/a/b/tabekube/s-210502kakure.jpg
もしかしたらコッチだったかも
https://blog-imgs-139.fc2.com/t/a/b/tabekube/s-200707hako.jpg