仏壇に供えてあった5個入りの栗まんじゅうに母が興味を示したので、
一個ずつおやつにいただくことにした。
マスカット一粒ぐらいの小さな饅頭だ。
母がセロファンを開けられずにいるので代わりに開けてやった。
で、自分の分を開けてふと見ると、もうまんじゅうがない。
「もう食べたん?」
「食べてない」
「落とした?」
「落としてない」
「どこに行った?」
「知らん」
テーブルの上も床も探したけど見つからない。
これはまたポケットに入れた可能性があるぞ、と疑い始めたときに発見した。
湯飲みのお茶の底に沈んでいるではないか。
箸を持ってきて、そ~ッと取り出したが、もう皮が溶けかけている。
まだ新品もあるので「これは捨てよか」と提案したら、
「そんなもったいない。せっかく浸けたのに」
せっかく?
※
居酒屋のバイトМえから久しぶりにLINEが来た。
「こみのとこにいらん段ボールない?」
わが社は毎日大量の入荷があるので段ボールは豊富だ。
むしろ空き段ボールを潰すのに一苦労しているぐらいだ。
欲しいならなんぼでもやろう、と返信すると、夕方取りに来るということになった。
復帰前の段ボールが山になっていたので、片付けたいと思っていたのだが、
Мえがどんなサイズのものが欲しいかわからないから、そのまま置いといてやる。
やってきたのは5時前だった。
「どんなのがいい?」
「大きいの」
「何を入れるんや」
「ワ・タ・シ」
「なんやて?」
「もうすぐ彼氏の誕生日やから、私がプレゼントになるのー」
……まだそんな種族も残っていたのだなあ。

↑母はなんでも浸したいらしいクリックしてね。
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「せっかく」なんやねぇ。そんでもってそのままなんやねぇ。
「プレゼントはワ・タ・シ♡」
種族が残っていたというより現実の世界にいたのがスゴイと思ったのでありました。