木曜日はちづるが実家に行ってくれていた。
8時に母を寝かしつけて、順調に帰ってきたら8時半。
録画し終わったばかりの『プレバト』を観ながら食べるおかずの段取りをしていた。
が、見守りカメラを見てみたら、まだ母はこたつの椅子で、ちづるが横で困っている。
あとでちづるに聞いた話では、この日の母はとても頭がはっきりしていたらしい。
だからと言って常識的に行動してくれるわけではない。
普段より具体的に訳の分からないことを言うだけだ。
ぼんやりした日には「向こうの部屋に誰かおるから」などと言うところを、
「今日は○○(妹の名前)が来るから」と言い、
「鏡のとこにおった人が帰ってないから」なんて言い方するところを、
「○○(私の名前)と○○(弟の名前)がまだ帰って来てないから」と言ったそうだ。
で、どちらにしたところで寝ないのだ。
結局ちづるが帰ってきたのは予定より1時間以上遅かった。
ハムモヤシ炒めでノンアルコールビールを飲みながら、
2時間半遅れの『プレバト』を観たのだった。
母への説得が過ぎたのか、翌日はちづるの喉がガヒガヒになってしまい、
体力を取り戻していた私が実家にいくことになった。
母は膝の調子がよさそうで、案外楽に立ち上がり、勧めるとトイレにも行った。
着替えさせ、洗濯を二回して、お昼を一緒に食べて、いったん帰宅した。
夕方、もう一度実家に行き、母と夕食を食べる。
母の症状は『ちょっと鼻声』のままだ。
それを利用して、
「ちょっと鼻声やから早めにトイレ行って着替えて寝よか」
と誘ったら「そうしよ」と快い返事を得た。
それまでこたつでテレビを観ることにした。
が、時間になって「トイレ行こか」と声をかけたらぐずり始めた。
「まだ行かへん」「したくない」「膝痛い」「寒い」「ほっといて」と言い訳する。
私も早く帰りたいし、母もウトウトしているのだからイライラしてきた。
なにしろ記憶しないから、説得と言い訳が短いスパンで繰り返されるだけだ。
そのうち私の喉がガヒガヒになってきた。
もう「ほっといて」というのだからほっといてやろう。
母はウトウト、私はスマホを見ている。
20分ほどしたら母が目を覚まし、こう言った。
「びしょびしょ」
だからトイレに行けと言ったのだー!
トイレにいかせ、着替えさせ、うがいをさせて、寝床に誘導する。
ふとんに入った母に訊いてみた。
「さっきワシとケンカしたん覚えとる?」
「なんでや」
もちろんトイレ行きをぐずった事すら覚えてはいないのだ。
で、「また来てな」と言って眠りにつく母。
勝ち目のないケンカをしてはいけない。

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