私が着いたとき、母はこたつの椅子でウトウトしていた。
起こして食事の用意をしていると、母は自力で立ち上がり、
歩行器につかまって食卓までやってきた。
昼間来たちづるから連絡があった通り、普段よりも膝は痛そうだ。
食事と洗い物が終わり、二人でコタツに移動することにした。
7時半ごろまでテレビを観て、トイレに行かせて着替えをさせて、
8時ごろに寝室で寝てもらおう。
と、安易に考えていた。
7時半、うとうとしていた母を起こす。
なんだか寝ぼけているようで話が通じない。
ともかくトイレと着替えを説明したら「わかった」と返事をした。
が、立ち上がらない。
膝が痛くて立てないという。
そんなこと言うけど、ついさっき食卓まで移動できたではないか。
なのに、椅子のひじ掛けに力を込めてもお尻が上がらない。
そうだ、先日病院で看護師さんが、母の心電図を取るのにベッドに寝かした時、
車いすから立ち上がれない母のズボンの後ろを持って引っ張り上げていた。
アレをまねしてみよう。
せーので立ち上がらせる。
何とか立ち上がったのだが、その状態が痛いと言ってまた座ってしまった。
これでは私が手を貸したり、食卓の椅子の背につかまらせても一緒だ。
私は母を椅子ごとそりの様に押して、壁沿いの手すりのところまで移動させた。
この手すりなら完全に固定されているから、力が込めやすいだろう。
母が腰を浮かせたタイミングで、こたつの椅子を取り、お尻の下に膝を入れ、
食卓の椅子に座り直させるのに成功した。
食卓の椅子はこたつの椅子より高いので立ち上がりやすいはずだ。
しかし、そこからでも母は立ち上がれなかった。
これはトイレに行くのは無理だ。
母が歩けないなら、椅子に歩いてもらうしかない。
私は母と「右、左」と息を合わせながら、椅子を交互にずらして寝室を目指した。
途中、三回の休憩をはさみ、何とか寝室の入り口までたどり着いた。
敷居があるので椅子ウォークはここまでだ。
ただ、ベッド横にはレンタルの丈夫な手すりがある。
これを利用して、母を半分担ぐような格好で,何とかベッドに腰かけさせた。
それから母にタックルするような姿勢でちょっと持ち上げ、
穿いているものを脱がせて交換する。
母は怖がるがそれは辛抱してもらう。
布団をかけて寝かしつけたのは9時半だった。
本日の筋トレ終了。

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この椅子は機動力に優れてそうやなぁ。