午前11時頃、仕事がちょっと空いたので実家に電話を掛けてみようと思った。
そうそう、以前なら掛ける時間を探り探りだった。
『掛ける』と『賭ける』がややこしいが、母が出るかどうかは賭けだったのだ。
一番の理想は、母がこたつでテレビを観ているタイミングだ。
電話の子機がこたつの上にあるので、母は手を伸ばしたら電話に出られる。
私が掛けて、5回以内に出たときは必ずテレビの音が聞こえていた。
経験上、母がそこにいる確率は、お昼前かお昼直後が高いようだった。
しかし今はそんな勘に頼った方法をとる必要はない。
見守りカメラがあるからだ。
映像で母がどこにいるかを確認してから電話を掛ければ、
母が出るまでの時間が大体想像できる。
というか、母が出ようとしている姿を見ながら出るのを待てばいいのだ。
こうして調べたおかげで、今までがどうだったかが判明した。
母が食卓に着いているときは、9回鳴って留守番電話に切り替わったころ出る。
椅子から立って、テーブルを伝ってよちよち歩くとそのぐらいになるのだ。
タンスの部屋の椅子に座っているともうちょっとかかる。
椅子が低いから立ち上がるのに時間がかかる上に、
なぜか3回ぐらい鳴ってからでないと動き始めない。
だから留守電になって一度切って、もう一度かけ直したころに出るのだ。
さて、見守りカメラを見てみたら、母はこたつでテレビを観ていた。
これならすぐ出るはず、と思って掛けてみた。
ベルが鳴っている間の母の動きを見ながら出るのを待つ。
母はすぐに子機を取った。
が、なかなか出ない。
手に持った子機をじっと見ている。
子機は取ってからボタンを押さなければつながらない。
そのボタンがどれだかわからなくなっているのだ。
それも仕方がない、私でもどのボタンだかわからないのだ。
そうこうしている間に留守番電話に切り替わってしまった。
ただし、留守番電話に話しかければ、その声は母に聞こえるはずだ。
私は「またあとでかけます」と言って切った。
すぐに見守りカメラを見てみると、母はしばらく子機を見つめた後、
ゆっくり置いてテレビを観始めた。
もう、こたつは電話を掛けるベストポジションではなくなったのだ。

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う~ん。
子機を充電器からとったら直ぐ話せる設定にしとけばええんとちゃう?…っていう問題とは違うか。