いつもの居酒屋で一部の常連はマイ箸を使っている。
これはむかしむかしMえの誕生日を祝った時のお返しに、
彼女がみんなに買ってくれたものだ。
それぞれ柄が違っていて、私のはうさぎさんだ。
新しいバイトが入ると、まずこの箸を覚えるところから仕事が始まる。
そんな大事な箸を折ってしまったやつがいる。
坊主頭Fだ。
やつは噛んでいないと言い張るが、なんでも骨まで食っちゃうので誰も信用していない。
きっとガシガシ噛んで折ってしまったとみんなが言う。
そんなFが自分で新しい箸を買ってきた。
共通の箸になったら、常連から格落ちするような気がするのだろう。
それで見栄を張ったのか、2800円もする漆塗りの箸を買ってきた。
なんと桐箱入り、筆書き付きだ。
Mえが遅番で出勤してきた。
もちろん彼女には話を通しておかなければならない。
折っちゃったおわびもだし、新しいのを覚えてもらう必要もある。
坊F「実は新しい箸を買ったんさ」
Mえ「え~、見せて見せて~」
2号「桐箱入りの高級品やぞー」
Mえ「キリバコってなに?」
彼女には難しすぎたようだ。
2号「桐の箱さ。聞いたことないかなー」
Mえ「キリってなに?」
彼女はすべてひらがなで考えるのでこういうことがよくあるのだ。
2号「あの~……『桐だんす』とか聞いたことない?」
Mえ「どんな踊り?」
わからない人は検索しよう。

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