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2023 051234567891011121314151617181920212223242526272829302023 07

ドラキュラの気持ちがわかる

最初の目覚ましが鳴る。
ふとんから右手だけを伸ばして止める。
この時、どんな体勢で寝ていても、一旦うつぶせの姿勢になる。
でないと右手が時計に届かないのだ。

もちろんこの道にかけて私は超ベテランだ。
時計なんて見なくても位置は把握している。
カメレオンの舌のように、ピュッと伸びた手が一発で不愉快な音を止める。
そしてピュッと戻って来て毛布の中に納まる。

外気の冷たさを味わった体は、ふとんと毛布、体温のありがたさを感じさせてくれる。
温かい、うれしい、ずっとこうしていたい、出たくない。
しかし、あとほんの数分でこの楽園からはおさらばしなくてはならないのだ。
私はこの暖かさに甘えるように、毛布の中でモガモガ動いてみる。

こうなった時の人体は敏感だ。
体全体がアンテナ化している。
完璧と思われたこの暖かさにひずみのようなものを感じ取る。
毛布とふとんがずれているのだ。


首のまわりに毛布が多い。
つまりふとんを基本として考えると、毛布が上に上がってきているのだ。
足センサーが毛布の末端位置を計測する。
ほうら、あと数センチで足先が毛布から出ていこうとしているではないか。
これは足が毛布の端に触れなくても、なんとなく感覚的にわかるのだ。

さっき体制をうつぶせに動かした時にずれたのかもしれない。
これをもとに戻すには、再び仰向けになる必要がある。
首元のところで毛布とふとんをそろえて固定し、足で引き下げるのだ。
この時ちゃんと首元を合わせないとさらにずれが大きくなる場合がある。

持ってみてさらに問題が発覚した。
毛布はただずれているのではなく、斜めになっている。
これは不愉快だ。
ふとんの中心に毛布があり、その中心に私は寝ていたい。
天井から私を見下ろした時、漢字の『由』のようになっていたいのだ。

さらに問題は新たな展開を迎える。
なぜ、ふとんと毛布が斜めになっていたかが、足重力センサーによって判明した。
斜めだったのは毛布ではなく、ふとんの方だったのだ。
ふとんが足元の方でベッドから落ちようとしている。

これは毛布位置の修正とは程度が違う。
なぜならふとんを元の位置に戻すには、足で上に持ち上げて移動させなくてはならない。
そんなことをすれば間違いなく外気がふとんに入ってくる。
しかしこのままでは、体がふとんの落ちていく方に引っ張られていく感じがして落ち着かない。

左足だけを犠牲にして、ベッドからはみ出させる。
うおおお、そういえば数年に一度の寒気が来ているとニュースで言っていた。
左足はふとんから出ていったわけでもないので一瞬で凍り付く。
少しだけ持ち上げ、右足の引っ張り力でふとんを引き上げる。
ここから毛布をそろえる作業だ。

よし、うまくいった。
ふとんの落下感はなくなり、毛布はほぼ中心に納まった。
安寧。
あたたか。
幸福感。

二度目のアラームが鳴った。






↑寝袋の安定感よクリックしてね。





方向は合っているはず
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[ 2018/02/06 06:53 ] 寝る | TB(0) | CM(6)
みんな同じやね。

しかし、必ずオチがあってさすがですね
[ 2018/02/06 07:01 ] [ 編集 ]
揚げ足取りと懐古と
ん?数分間で誤変換に気が付いて修正した?
お茶碗あらう前は確か「数年に一度の歓喜」だったと思うのに
コメント書こうと思ったら
「数年に一度の寒気あが来ていると」になってる。
でも、ふふふ、慌てて直しましたね、「寒気あ」って何?へへへ。

と揚げ足取りしたところで、布団をめぐるトケ井との攻防、久しぶりだわ。
足の生えたキャラとしてトケ井が登場したのが11年前でしたわ。
http://blog-imgs-31.fc2.com/t/a/b/tabekube/s-omezame6.jpg
よく似た絵は6年半前
http://blog-imgs-49.fc2.com/t/a/b/tabekube/s-111027mezamasi.jpg
[ 2018/02/06 07:30 ] [ 編集 ]
モーニングコールを頼んだら (-””-;

どうせ目覚めるのなら,少しでも爽やかに起きたいものだ。
機械的な卜ケ井のアラームより,
女性の声のモーニングコールの方が爽やかな朝を迎えることが出来る筈だ。
こみさん,一度,女性の声のモーニングコールを試してみては如何。

この人にモーニングコールを頼んだらいい。
 (-””-;

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%81%93%E3%81%AE%E3%83%8F%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88&hl=ja&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=3arbt0URsEDyTM%253A%252Csd897f_75qKUaM%252C_&usg=__6vcxJrYIj77nu9sYfVpiogZs4-c%3D&sa=X&ved=0ahUKEwj5vdqlsJDZAhXHiLwKHXajBFUQ9QEIKzAB#imgrc=cfoNf1o09OLTUM:&spf=1517888777728
[ 2018/02/06 13:00 ] [ 編集 ]
こみさん
貴方の幸福感
私の心に伝わる
暖かさは布団だけじゃない
貴方の優しさが私を温めてくれる
貴方の幸福感
私の心に伝わる
冬将軍が居座る季節
伊勢と東京を繋ぐ
貴方の優しさが私の心を温めてくれる

文章を読んで感想を詩作してみました
[ 2018/02/06 19:54 ] [ 編集 ]
ペコさん>
やっぱりみんなやってるのね。
私は今朝もやりました。
こんなオチですがありがとうございます。

猫団子さん>
それは小人さんかな。
いえ、ちづるでした。
実はちょいちょい修正されてます。
私もトケ井初登場の絵に似てるとは思ったんですよ。
二番目の絵は覚えてなかったなあ。
[ 2018/02/08 01:53 ] [ 編集 ]
chan.na.oさん>
その意見には賛成だ。
だが、その提案には反対だ。

りらさん>
こんな四畳半ネタをなんて美しくコメントしてくれるんでしょう。
それにふさわしいレスが難しいわあ。
ただ、ほんのり暖かくしていただきました。
ぽわ。
[ 2018/02/08 02:02 ] [ 編集 ]
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プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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