『リラ荘殺人事件』

ここでは、『リラ荘殺人事件』 に関する情報を紹介しています。
私は推理小説が好きだ。
できることなら、世の中の有名トリックは全部知って死にたいと思っている。
しかし、どんなに名作と呼ばれていても、古い作品は手に入らないことがある。
いつか読みたいと思いながら手が出ずにいたら、いつの間にか本屋から姿を消していて、
気が付いたら入手困難なんてことも何度もあった。

今はAmazonなどのネット販売を使えば大抵のものは手に入るだろう。
でも、逆にいつでも手に入るとなると、どんどん後回しになってしまう。
なのにこれが復刊となると「うおおー」と叫んで買ってしまう。
で、いつでも読めると思って本棚に眠ってしまうのだ。


先日、角川文庫から鮎川哲也の『リラ荘殺人事件』が復刊された。
これは『黒いトランク』と並び称される鮎川哲也の代表作だ。
もちろん私は「うおおー」と叫んでレジに並び、
しかも、その時読んでいた本が読み終わるとすぐに読み始めた。

ところが、10ページほど読んだだけで、なんだか読んだことがあるような気がしてきた。
まだストーリーなんて始まってもいない、登場人物の紹介あたりだ。
この登場人物の数人に見覚えがあった。

そうだ、思い出した。
数年前に読んだ『甦る推理雑誌シリーズ』で読んだのだ。
たしか第5巻『密室』傑作選だ。
調べてみると、そこに掲載されていた『呪縛再現』という前後編の小説が、
作者が『鮎川哲也』を名乗る前に書いた『リラ荘』の原型なのだそうだ。

その時解説を読んで「えらいものを読んでしまったぞ」と思ったのだった。
なのに復刊された『リラ荘』を見た興奮でそんな事忘れてしまっていたのだ。
そんなに細かいところまでは覚えていないが、
あーこの人とこの人は殺されちゃうなー、なんてことを思ってしまう。

ただし、犯人が思い出せないでいた。
というのも『呪縛再現』は190ページ、『リラ荘』は420ページもある。
登場人物も大幅に増え、事件もたくさん起きる。
結局最後まで面白く読んだ。
重要トリックは同じだったのだが、私の記憶力は探偵の解決を聞く楽しみを奪わなかった。


それよりも、私はある登場人物の扱いに注目させられていた。
その名は『尼リリス』
音大生なのだが、本名の『南カメ』がいやで勝手に芸名を名乗っていることになっている。
そんな設定、必要なのか?
内容には一切関係なかった。

しかも彼女、やたら太っていることを連呼される。
登場人物の会話で言われるのなら仕方ないかもしれないが、
最初の紹介で65キロと暴露され、
その後も彼女が太っているという描写が何度も出てくる。
で、トリックには関係ないのだ。

かわいそうな南カメ、いや、尼リリス。
ひょっとして、作者に嫌われているのだろうか。
それを確認するためだけでも、読んでみる価値はあると思いますぞ。





↑凶器は持たずにクリックしてね。






どっちかが被害者だわな
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コメント
この記事へのコメント
わっ、第一発見者が怪しい?
でも、トケ井に巣が張っているように見えるのは目の錯覚かしら?
2015/09/06(日) 09:11 | URL | 猫団子 #mQop/nM.[ 編集]
「リラ荘殺人事件」は、もとは「りら荘事件」を改題したもので、この数年で、講談社や創元から何度も文庫でリバイバル出版されているのですが……。(^^;)

ロジックで押して行く作品では、わたしは都筑道夫先生の「七十五羽の烏」のほうが好みであります。

幻の名作といえば、早川からトマス・フラナガンの短編集「アデスタを吹く冷たい風」が文庫版で再刊されたので未読でしたらすぐに本屋に突撃してください。今度なくなったらまた二十年くらいしないと出てこないと思うので。損はさせません。
2015/09/06(日) 10:33 | URL | ポール・ブリッツ #QHWOtqQ.[ 編集]
師匠、ご無沙汰してすみません。
突然空き時間ができたのでお邪魔しました。
私も推理小説大好きです。
ん?・・・でしたかな?
昔タロットひみこ?全巻読みました。
師匠はさすがお若いんですね。
よっく覚えてらっしゃる。
私は二度目でもとても新鮮。
そして凄いトリックだと何度でも感心できる特技を持っています。
2015/09/06(日) 14:14 | URL | マコト #frCxPgj6[ 編集]
猫団子さん>
犯人と被害者と目撃者と探偵を配役する人数がいません。
最初はひび割れを描いたんだけど、つる植物みたいに見えたので変えました。
で、それ以上は時間がなかったの。

ポール・ブリッツさん>
えっ、この数年で?
ダヴィンチも購読しているのになあ。
都築道夫は好きです~。
でも『七十五羽の烏』は売っちゃったみたいです。
『アデスタ』ハヤカワミステリの目録で調べたらなんと古い!
180円でしたぞ。
なんとなく聞き覚えがあったのでアンソロジーにでも入ってるかと調べたら、
密室アンソロジーに『イタリア物語』ってのが入ってました。
文庫化はありがたいねえ。
さっそくこの節穴で探してみます。

マコトさん>
お忙しい中いらっしゃーい。
タロットひみこ、そんなのありましたね~
表紙が魅力的な。
私もどんどん忘れていきます。
読み返して新鮮なのはいいけど、
読んで売った本をまた買っちゃったりするのよね~

2015/09/07(月) 19:03 | URL | こみ #tHX44QXM[ 編集]
たぶん「リラ荘殺人事件」で探していたからでしょうね。

今では初出時のタイトル「りら荘事件」のほうが通りがいいので(^^)

昔の角川関係はこういうことが多いので注意しなければならんのであります。

いちばん頭を抱えたのが、笠井潔「サマー・アポカリプス」が、角川文庫版では「アポカリプス殺人事件」などというわけのわからんタイトルに改題され、その後、西村京太郎「黙示録殺人事件」なんてのも同社から出版されて、ネットのない時代ミステリファンを混乱させたものです(^^;)
2015/09/07(月) 21:53 | URL | ポール・ブリッツ #0MyT0dLg[ 編集]
ポール・ブリッツさん>
私も『りら荘事件』の方が好きですね。
『殺人事件』ってつくとちょっと安易な感じがします。
いっそ『りら荘の惨劇』とかの方がそそられるかな。
なんで翻訳でもない『サマー・アポカリプス』がそんなことに?
私はカーが好きなんだけど、早川と創元のタイトルには泣かされました。
ちょっと話はそれますが、“版権”を持っている出版社は、
“版義務”も果たして欲しいです。
版権を持っている限りは、誰でも読める環境にしてほしいですよね。
あー読みたい、ネロ・ウルフの『毒蛇』
2015/09/08(火) 22:01 | URL | こみ #tHX44QXM[ 編集]
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