私は夢をよく見るほうだ。
眠りが浅いのかも知れない。
しかし、聞くところによれば、
眠りの深い人も毎日いくつかの夢を見ているのだそうだ。
違いはそれを覚えているかいないからしい。
夢の内容はいつもとりとめがない。
起承転結とか脈絡とか、筋道だったところはひとつもない。
伏線もない、オチもない、考えてみればストーリーもない。
人間という高度に進化した生物の脳が作り出すにしては、
あまりにも荒唐無稽だ。
なぜそうなってしまうのか?
それは、睡眠が想像力の枠を取り払ってしまうのではないか。
起きている人間ががんじがらめになっている「常識」から、
つかの間であれ、開放してくれるのではないか。
私の知り合いに強烈なハギシリをする人がいる。
初めていっしょに旅行したときは驚いた。
寝ていたら、突然「ぐいぃぃ」と過去への扉が開くような音がした。
しばらくそれが続いた後、
「こここかかかかけー」
ニワトリがキジに変身するシーンみたいだ。
その後も
「ぎゅいぎゅい」
「こかけか」
「きょきょきょきょきょー」
と、ポルターガイスト顔負けのにぎやかな夜だった。
これは声ではない。
歯と歯がこすれて出る音だ。
哺乳類や鳥類の声よりも、「虫の音」に近い原理だ。
これが起きている間は出せない。
やろうと思ってもできないことが、寝ている間はできるのだ。
「火事場のバカ力」という言葉がある。
普段人間の体は筋肉や骨が壊れてしまわないように、
ある程度以上力が出ないように抑制されているのだそうだ。
それが非常時に開放されると「火事場の~」になる。
睡眠は、人間の何らかの能力を一時的に開放しているのではないか。
それが、いうなれば「想像力の背伸び」みたいな意味で、
リフレッシュになっているのではないか。
人間が眠くなるのは、堅苦しい覚醒状態に、
いたたまれなくなるからなのではないか。
いつだったか、昼休みに車で寝ていた上司T。
「ウチに帰ってからな」
と寝言を言った。
どうやら夢の中で孫を連れているらしい。
人間、歳を取ると睡眠中も開放されなくなるのかもしれない。
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出くわした事があり、そのトラウマからか、夜中によく叫んでいます。
「どろぼーーー!!」
迷惑極まりないと夫に怒られる朝が
そこそこにあります(笑)