いやもう「キーッ」となるぐらい雨ばっかりだ。
おてんとうさまが出ないから野菜はあんまり育たないし、
なのになぜだか雑草はすくすくポンと育ちまくりだ。
しかたがないので、先週は仕事のあとで草取りに行っていた。
段取りでは先週のうちにトウモロコシの畝間の草取りを終え、
土寄せをしたらその状態をキープするつもりだった。
それがこんなにも遅れたのは雨ばかりのせいではない。
どう見ても草取りをしているとわかるはずの私に、
「なにしているの?」などと話かけれくる人が多いからだ。
まさに日替わり状態。
近所のおばさん、お隣の奥さん、犬の散歩の人、初対面の人、
なぜ私に話しかける。
しかも話の内容ときたら、天気が悪い、草取りは大変、野菜が楽しみ、
そしてなぜか、その人たちの親せきの話。
これが田舎なのである。
さて、畑の隣の土地に家が建った。
私の畑に影ができるようになったが、それは夕方だからまあいいだろう。
先日ご挨拶もしたが、なかなか人のよさそうな若夫婦で一安心だ。
むしろ、野菜の泥棒除けになるかもしれない。
先週、初めて会社帰りに畑に寄った日。
どこからか「こんにちは」という声が聞こえる。
辺りを見回しても誰もいない。
するともう一度「こんにちは」
あら、家の中から小さい子供が私に挨拶してくれていた。
日本語の使い方を最近ようやくわかり始めたってぐらいのたどたどしさだ。
「こんにちは」と挨拶を返す。
するとお父さんが横から顔を出し「あ、どうも、こんにちは」
と今度は大人の挨拶を交わす。
お子様はとりあえず私から返事を引き出したら満足なようだ。
このやり取りが先週は四日間続いた。
昨日は朝のうちに雨が止んで、少しの間だが日が差した。
土は湿っているだろうが、草が茂っているのはあとわずかなスペースだ。
クワで削ってしまおう。
そう思って畑に行くと、例のお子様がお母さんと家の周りを散歩していた。
若奥さんと挨拶を交わし、おこさまは「ともこし」と叫んでいる。
トウモロコシのことらしい。
親子はそのあと家に入ったが、お子様はいつもの窓から顔を出した。
男の子らしく車やカブトムシの話をいっぱいしてくれる。
アンパンマンのシールだというものも見せてくれたが、どう見てもムシパッチだ。
そこへ、お隣の地主さんだった人が車でやってきた。
ここの奥さんは姪にあたるという話だった。
「ママ、ママ、車来た」
「おじさんの車、来たね」
「おじさんの車は?」
「あの茶色いのがおじさんの車よ」
「畑のおじさんのは?」
はたけのおじさん。
どうやら私は、この子の世界の登場人物になってしまったようだ。

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口が回らずに省略されてたら…。
昨夜パソコンが壊れました。携帯での閲覧、コメントは不便です(+_+)。