会社では毎日大量のゴミが出る。
紙の切れ端はもちろん、入荷した荷物の段ボール。
それを再利用するために剥がしたガムテープや伝票。
それらと比べると私が食べるお昼やおやつのゴミは知れたものだ。
しかし、家で出るゴミはとんでもない量になる。
特にプラゴミが多い。
それはすべてスーパーのせいなのだ。
スーパーではリサイクル用にトレイの回収などを行っているが、
もっと他にしなければならないことがあるだろう。
それは上げ底システムの廃止だ。
肉や魚などの発泡トレイはだいたい普通の皿形になっている。
サイズがいろいろあって重ねにくいのも不愉快だが、
お総菜用のプラトレイが憎い。
上げ底になっている分、ゴミ箱の中でかさばるのだ
よく釣り人の間で言われているのが、
釣ってきた魚はまな板に乗せると小さくなる、というやつだ。
私も経験があるが、
「あれ、あの一番大きかったやつ、逃げたのか?」
と思うほど、家で魚は縮む。
スーパーで買った魚もまな板の上で縮む。
先日、二枚に降ろした塩サバを買ったのだが、
これを二つに切ろうとまな板に乗せたらその瞬間に痩せた。
あんなによく肥えていたのに、と思ったら、トレイにアールが付いている。
つまり塩サバは肥えていたのではなく、反っていたのだ。
昨日、私は母に買い物をさせるため実家に行った。
二日酔いだったので途中のコンビニに寄り、ソルマックと手土産の納豆巻きを買った。
一週間分の食品とこの日のお昼ご飯を買う。
親父にはウナギちらし寿司を買ってみた。
買い物を終えて家に着いたらもうお昼だった。
胃が辛くてあまり食べられない私は、白和えやきんぴらでご飯を食べていた。
すると、ウナギちらしを喜んで食べていた親父が、
半分ぐらい食べた段階で「もういらん、お前にやる」と私に突き出した。
あら、気に入らなかったのかと思いきや、こっそり私が買ってきた納豆巻きを食べたのだ。
とはいっても二日酔いのわが身、そんなには食べられないが味見だけでも、
と思ったが全部食べてしまった。
それが想像を絶する上げ底だったのだ。
一番縁はふたをはめるから持ち上がっている。
そこからいったんくぼみ、トレイの中心はまるで舞台のように一段高くなっているのだ。
ウナギちらしは酢飯の上に錦糸卵とウナギのコマ切れという三層構造だ。
これをよくぞこんなに薄く敷き詰めることができたことぞと、その技術に感心した。
ちらし寿司の厚みは「このぐらいなら楽に読めるな」って文庫本ぐらいだ
それに対し、この上げ底部、つまり持ち上がっている厚みは、
「文庫本ってこんなに高かったっけ?」って思う文庫本のぐらいの厚さだ。
食べ終わったそのトレイを見て、私はこう言った。
「裏返してもトレイに使えるぐらいの上げ底やないか」
それで親子三人わはははと笑った和やかなお昼ごはん。
だからいいというわけではないぞ、スーパーよ!

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画にはできなかったのね。