レバーと言っても肝臓ではない。
機械を作動させるための棒状の…レバーだ。
わかってもらえるだろうか。
「このレバーを下げると幕が下りる」とか、
「うわははは、このレバーを引けば貴様らは一巻の終わりだ」とか、
「ああっ、レバーがっ!」とか、そういうレバーのことだ。
そういえば、昔々のヒーロー活劇『キャプテンウルトラ』では、
手足がラッパ型のバンデル星人の宇宙船にレバーがいくつかあり、
「なんでこんなに自分たちに使いにくいシステムを採用したのか」
と不思議に思ったことがあったなあ。
このレバーというものの先端には“玉”がついている。
おそらく、手で握りやすくするためのものだろう。
たいていはカラフルで、ネジ式になっていて回しているとはずれてしまう。
そういうものが私の使っている機械にも着いていた。
めったに使わない機能なのだが、数か月前に久しぶりに動かした。
するとこの玉が「ペケッ」と割れてしまった。
私のせいではない。
かなり丈夫なものだから、きっと引っ越しの際になんらかの力が加わったのだろう。
そうに違いない。
玉は真っ二つ、ではなく、大中小の三つに分かれた。
一番大きいのはねじ山を見せながらもなんとかレバーの先端にくっついている。
あとの二つを拾って観察してみると、割れ口の外と中の色が違う。
ひびが入っていたか劣化していたのだろう。
あとでくっつけるつもりで引き出しに入れておいた。
先日、掃除中にそのレバーに気が付いた。
先端に付いているのは赤い半玉だ。
「これは回したらねじ山から抜けるだろうか」
と思って回そうとした途端「ペケッ」と割れて落ちた。
玉は四分割されたのだ。
数日後、私は百円ショップで悩んでいた。
「うーんうーん、何かあと三つ買わないと一円玉ができちゃうよう」
そこで機転の利く私は、この玉のことを思い出した。
玉と言っても一円玉のことではなく、レバーの先端に付いていた赤い玉のことだ。
私は接着剤を買った。
割れた面に接着剤をつけ部品同士をくっつける。
百円の接着剤だから接着力が心配だ。
力を入れてぐぐぐと押し付ける。
ペケッ
しまった!
四つの部品をあわてて拾う。
新たに増えた小さい二つの部品はこの際無視だ。
もう一度くっつけて、そこそこの力でぐぐ具と押し付ける。
とりあえずくっついた。
どこかで乾燥させなければ。
そうだ、どうせならレバーの先端に付けて乾燥させればいい。
ネジ山にはめてみよう。
ペケッ
しまった、接着剤にホコリがくっついてしまった。
取れない、だって接着剤だもん。
ともかくこのままでは接着剤が乾いてしまう。
なんか玉に毛が生えた感じになってしまった。
半日ほど乾燥させて、そ~っとレバーの先端に着けてみた。
なんとかネジ山に納まったが、いかにももろそうに見える。
早く誰か触ってくれないかな。

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