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達人

ここでは、達人 に関する情報を紹介しています。

達人

お出かけの時は別として、地元で外食をするときは、ジャンル別に行きつけが決まっている。
うどんならここ、カレーならそこ、寿司ならあそこという具合だ。

で、我が家御用達の中華料理といえば「司飯店」だ。
ここに来たときはなるべくカウンター席に座るようにしている。
元来、待つのが嫌いな性質なのだが、ここの大将の中華なべとお玉の使いっぷりを見ていると待ち時間が苦にならないのだ。

この店ではほとんどの料理を大将が作る。
他に材料を用意したり麺を茹でたりする係と配膳が3人ぐらいいるが、明らかに主軸はこの大将である。

なにしろ、焼きそばだろうがから揚げだろうがお玉で盛り付ける。
他人事ながら、から揚げが転がってしまわないか心配になる。
炒飯はお玉で一人前ずつ盛り付けたあと、しゅしゅっと金属音がすると最後の一粒まで残さずお玉ですくい取っている。
まったくすばらしい熟練の技、手際のよさだ。

先日は夫婦で天津飯を注文した。
以前見たときは、出来上がったかに玉を、左手に持ったご飯の盛られた器にくるくるぽん、と放って受けたのだ。
私が知る限り、ほとんどの店が天津飯のかに玉は鍋肌を滑らせてごはんの上に乗せていた。
なのにこの親父は当たり前のようにかに玉を空中回転させたのだ。

が、その日は様子が違っていた。
親父は卵を焼き始め、ごはんは二人前用意されている。
あれが私たちの分だ。
くるくるぽんが二回見られるのだ。
そう思っていた私の眼前で、親父は中華フライがえしを取り出した。

なんだ?どうしたんだ?親父。
体調が悪いのか? それとも衰えたのか?
疲れたのか? 悩みがあるのか? 

愕然とする私を尻目に、親父は中華フライ返しで二つのかに玉をすくい、ごはんの上に乗せた。
二つ?
そう、親父はひとつの中華なべで同時に二つの丸いかに玉を焼いたのだ。

ああ、すまん、親父。
私は見た目の派手さにだまされていた。
これこそが厨房のワザなのだ。
その腕を疑った私こそが青二才だったのだ。

この日私は中華スープに涙という悔恨の味付けをしながら、御天津飯をいただいたのだった。
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コメント
この記事へのコメント
ウキキ…(笑)
私も調理してる所をみるのは好きです。私もその達人の技を見てみたいです。へいへいろうでは時々おっちゃんと目が合います。あわててそらす私は…
2005/05/25(水) 16:44 | URL | のん太 #bzMoh9KQ[ 編集]
のん太さん、
へいへいろうでは同業者のスパイだと思われてるかもよ。
あるいは・・・・・・・恋?
2005/05/25(水) 23:36 | URL | こみ #-[ 編集]
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