夕方、もはや本日の仕事にはメドがついてみんながおやつ待ちをしている中、
新人クンだけが掃除をしたり機械を拭いたりと真面目に働いていた。
彼が在庫品をしまおうと倉庫の奥に入っていくのを、
「よく働くねえ」
などとろくでなしの先輩たちは感心しながら見ていた。
すると、
「うわー」
と新人クンの悲鳴。
そういえば彼はクモが大の苦手だった。
トイレにクモが出た話を聞いて、近くの伊勢神宮外宮駐車場トイレまで行った男だ
あのトイレは百円で紙を買わなければならないのに。
ともかくクモなら一大事だ。
O川、N岡に退治させなければならない。
そこへ新人クンが血相を変えて駆け戻ってきた。
「ヘビが出ました!」
これは予想外、しかしクモよりややこしい。
私はヘビの見た目は怖くない。
だが、奴らには毒のある場合がある。
とりあえず出て行ってもらいたいではないか。
現場を検証するが、捕獲するには困難なところだ。
フォークリフトで動かす荷物がドカドカ置いてあるところで、
荷物はパレットに乗っているので隙間だらけだ。
話が届いたのか、事務所からもみんながやってきた。
この奥には、女性陣が荷物を出す紙製品もたくさんある。
また、事務員子さんのロッカーも近いので、手荷物を避難させることになった。
「私、クモは平気だけどヘビはダメなんです」
クモは平気なのか。
じゃあ今度退治してね。
懐中電灯で荷物の隙間を照らして発見。
しかし、この状態では手も足も出ない。
ヘビだけに。
何か道具を探しに戻って、ちょっと休憩。
すると今度はエヌ岡の悲鳴。
走って見に行ったら、またもや荷物の裏側にぬーっと入って行くのが見えた。
ただし、今までの場所ではない。
最初に発見された場所は倉庫の通路の向こう側だったのだが、
今いたのは、通路のこちら側だ。
我々がちょっと目を離したすきに通路を渡ったのか。
ただこちら側はちょっと明るい。
パレットの下にいるのをすぐ発見できた。
地面に這いつくばるようにしてO川とN岡が懐中電灯で照らし、網をかまえている。
私がその裏から棒で追い出す作戦だ。
いた。
裏に回ったら、明かりなしでも確認できた。
しかも棒が届く範囲だ。
「たー」
棒で押さえた。
手応えありだ。
「ぎゃー!」
O川とN岡が同時に飛び上がった。
私がヘビを抑えた瞬間に、彼らに向かって「シャーッ!」っとやったらしい。
パレットを覗き込むようにしてた彼らはかなりびっくりしたそうだ。
ううむ、どうしたものか。
とりあえず、戻るとおやつが出ていたのでいただいて、
定時になったので帰った。
やつはまだいる。

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