数日前に高校時代の友人からメールがあった。
「元気?」
「風邪ひき中」
「じゃあまた治った頃メールします」
おそらく飲みに行くお誘いだ。
コイツはともかく「会おう、飲もう、集まろう」が好きな奴だ。
もちろん飲んだこともあるが、かなりの確率でお断りしている。
コイツとは、高校時代同じ陸上部に所属していた。
なので集まるメンバーはその関係が多い。
学生時代のクラブ活動で顔見知りなのは、二つ年上から二つ年下までだ。
どの年代の人が幹事になるかで集まる世代が変わってくる。
コイツが集めるのは我々の代から下だ。
ということは、そこでは私たちの同級が一番先輩になる。
ところが、後輩がさらに後輩を呼んだりするので、三つも四つも年下の人がいる。
そんな人、知らん。
それよりも重要なことは、陸上部の形態にある。
陸上競技というのは、短距離走、長距離走、跳躍、投擲の四部門に分かれる。
私の所属はもちろん投擲だ。
クラブ内においては少数派だ。
短距離、長距離にかかわらず、陸上部には走る人が圧倒的に多い。
しかも彼らは仲睦まじくいつも一緒に走っている。
また、走り幅跳び、走り高跳び、棒高跳び、三段跳びといった跳躍部門は、
短距離をやっている人が兼任しているのが普通だ。
我々投擲部門は孤独だ。
ウォームアップが終わったら、たいてい自分の競技の練習に入る。
投擲部門に四種類の競技がある。
砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ、ハンマー投げだ。
私の専門はハンマー投げだった。
ハンマー投げというのは、競技中の選手に近づきたくない競技ベスト3にノミネートされている。
ちなみに、あとのふたつはボブスレーと水球だ。
もう一つ悲しいことは、ハンマー投げが投擲競技の中で唯一、女子にない競技だったということだ。
ともかく、少数派の中の少数派の競技ということで、
私は一人遠く離れたところで練習することが多かった。
そんな事情もあり、私は陸上部のメンバーで集まろうと言われても、
あまり顔なじみがいないのだ。
後輩の後輩で短距離を走っていた女子、なんてことになったら、
むしろ柔道部のやつの方が身近に感じるぐらいだ。
そういうメンバーで集まれば、その頃の話に花が咲いたりするだろう。
私はその話の輪に入れない。
当時私はひとりでクルクル回っていた。
だから今もひとりで飲みに行って、店の娘に手玉にとられているのだ。

↑もうどっちに回転するかも忘れたけどクリックしてね。
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ヨンホンゲが回転しながら三段跳びした図なんて考え付かんわ。
そうか、陸上競技って専門個人競技だったのね。
全部やるんじゃないんだ。
少なくとも投げる部門は投げること全般するのかと。
不見識すみませんでした、って気持ちになりましたわ。