私はソフトにものを洗うことができない。
なんでもガシガシこするタイプだ。
例えば、ベネチアングラスでも墓石のように磨く。
家にベンチアングラスなんてないけど。
しかも、全体を丁寧に洗うのが苦手だ。
今は一切手を引いてしまったが、私が車を洗うと必ず三角州のように洗い残しがあった。
つまり磨きやすい場所だけをただこすり続けるのだ。
それもサンドペーパーのように効果的な道具を使いたがる。
当然、歯も同じように磨いているのだろう。
先日、詰め物が取れて歯医者に行ったとき、その歯でないところも滲みると言ったら、
知覚過敏だと診断された。
その時見せてもらって初めて知ったのだが、右の上の歯の根元が磨り減っている。
強く磨きすぎなのだそうだ。
なるほど、右上といえば一番力の入れやすい位置だ。
しかも早く磨き終わりたいから硬い歯ブラシで強く早く磨く。
だから歯ブラシが痛むのがとても早い。
歯医者さんには「でしょう」と言われた。
その日は磨り減ってくぼんだ部分にカバーをしてもらった。
それが取れた。
カバーをしていることも忘れて、いつもどおりガシガシ磨き続けたからだ。
歯を磨くのは朝か夜だから、寝起きか眠いかのどちらかだ。
言われたことなど忘れているだろう。
こうなると、私の本能のままに歯を磨いていてはいけないような気がしてきた。
文明に頼るしかない。
私がずっと蔑んできた、電動歯ブラシの使用が考慮の対象となってきたのだ。
ああ、機械仕掛けで歯を磨くなんて。
ちづるは電動で歯を磨いている。
評価は、とても良いだ。
とりあえず、ちづるの使っている機械は先端が付け替えられるので、それで磨いてみようかと思う。
そういえば、以前にも同じようなことがあった。
ヒゲなんて、泡をつけてカミソリで剃るのさ、という信念でいた私だが、
ある日もらった電気ヒゲ剃り機の能力に屈服したのだった。
一度安物の機械を使って懲りていたのだが、良い機械を使えば問題ないと知ったのだ。
おそらく歯磨き機もそうなのだろう。
電気で動く機械を使えば、手の運動量は大幅に削減される。
歯ブラシを動かす上下運動、カミソリを動かす前後運動が要らない。
どちらも、歯や皮膚に機械を沿わせていけば、メカニカルな振動で作業をしてくれる。
ならば、右手で歯を磨き、左手でヒゲを剃ることができるのではないか。
半分終わった段階で左右を入れ替えればいいのだ。
なにしろ朝は忙しい。
猫の手だって借りたいぐらいなのに、片手を遊ばせておくのはもったいない。
待てよ、ヒゲは口の外側、歯は内側ではないか。
歯ブラシとひげそりが二股で付いている機械があれば・・・
いや、三股にして、ひげ剃り、歯の外側、歯の内側を挟むようにすれば、
口の周りを一周させるだけで、朝の身だしなみが整うではないか。
そうそう、あの百円ショップに売ってるブラインドを掃除する道具みたいに。
でも、ブラインドのようにはいかないか。
昔から“口に戸は立てられん”というからなあ。

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そんでもって左のそれ、剃刀が上部、櫛が下部って…お髭をくしけずって頭を剃る?