ホームセンターをぶらぶらしていて楽しいのは、
文具、工具、農具、調理器具の四具コーナーだ。
ただし、文具は子供、工具はおっさん、農具は老人がいる率が高い。
なので必然的に、奥様方の多い調理器具のコーナーに行ってしまう。
最近の調理器具の進歩は凄まじい。
プチ発明家たちのマイ特許発表会の様相を呈している。
なんといっても生活と切り離すことのできない道具たちだ。
どんどん新しい知恵と工夫が取り入れられている。
私にも一つアイデアがある。
といっても開発する能力はないので、こんなものがあったらなあ、という程度だ。
それは、調理用ホッチキスだ。
『ホッチキス』は商品名で『ステープラー』というのがホントらしいが、
天ぷら用だと思われたらこまるので『ホッチキス』にしておこう。
文具用と調理用のホッチキスの一番の違いは、針が食べられるかどうかだ。
料理の一部に使用するのだから、素材は食べられなくてはならない。
できれば加熱後は柔らかくなってもらいたい。
では、どういう場面で使うものなのか、開発する人のためにも発表しておこう。
まずは、巻料理たちだ。
ロールキャベツや肉巻きアスパラがほどけてこないように留める。
海苔巻きや春巻きだって、苦手な人はいるだろう。
ギョーザもこれで留めておけば完全分解は免れるはずだ。
巾着餅はもうカンピョウで結ぶ必要がない。
つまり、料理の分解を防ぐための仮止めとして便利だと思うのだ。
小麦粉を濡らして糊のように塗ったり、爪楊枝で止めたりする必要がなくなる。
どうだい、画期的だろう。
次に、剥がれものという使い方もある。
食べているうちに表面が剥離してしまうタイプの料理に使いたい。
まずはトンカツのコロモだ。
カツ丼にすると、てきめんコロモが剥がれてしまう。
これも煮る前に1ホッチキしておけばカツとして食べやすくなるだろう。
焼き魚の皮にも使える。
皮と身を一緒に食べたいと思っても、それを実行するのは至難の業だ。
アジの干物でもブリ照りでも塩ジャケでも、セット食いするならかぶりつくしかない。
ちょっと部分的に留めてあれば、すごく食べやすくなると思う。
そして、実は一番この道具を使いたいのは挟みものだ。
ピンポイントで言うなら、チキンの照り焼きバーガーの向こう側を留めておきたい。
ハンバーガーというのはガブリと食いつくのが醍醐味だ。
ところが、ほとんどのバーガーは一口目で崩壊する。
そのなかでも特筆すべき崩壊っぷりをするのがチキン照り焼きバーガーなのだ。
チキンはそもそも身がデコボコであるうえに、身と皮の滑りがいい。
そこにテラテラしたタレが塗ってあり、野菜とのあいだにはマヨネーズがある。
層を成す形状であるにもかかわらず、その具材どうしの間に摩擦が一切ないのだ。
こんな不安定なものの片側に圧をかけたらどうなるか。
そう、反対側にぶりょーんと飛び出すのは当然だ。
だからこそ向こう側を開かないようにしておく必要がある。
まずはハンバーガーショップで開発し、そのうちに各家庭に広まっていくというストーリーはどうだろう。
世間に浸透するまではハンバーガーショップでリサーチしてもらおう。
「お飲み物はどうされますか。ポテトはいかがですか。ホッチキはいかがなさいますか」

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留めるんやから、ヨンホンゲと頭皮をパチンと、あっ、失敗した、やり直し。
あっ、千切れた…。