今年は空気中に漂っている微粒子が多いらしくて、花粉症の人には厳しい春だ。
ちょっと気を抜くと、すぐに、鼻が、ムズムズ、して、きて、
「ハ…ハ…ハ…、アチョー!」
失礼、これはカンフー症でした。
マスクをしているからと油断をしていたら、それは突然やってきた。
目は砂鉄を撒かれたみたいにギシギシとかゆくてかゆくて、
鼻の奥ではなまはげがフォークダンスでも踊ってるようにゴソゴソしている。
顔を洗ってうがいして鼻をかんで、それを何度繰り返しても「ブギー」となる。
外側だけの対処じゃダメだ。
鼻にティッシュを詰めて、ちづるに電話した。
帰りに花粉症の薬を買ってきて、と。
「高い薬を買ってきてやったぞ」
とちづるが差し出したのはテレビでもコマーシャルをしている有名薬だ。
一回二錠、朝夕飲めば一日中砂鉄となまはげから守ってくれる。
その日の夜に飲んでから、あのうっとうしい症状は収まった。
数日後、ちづるが私にこう訊ねた。
「あの薬、毎回二錠飲んでいるか」
「もちろん」
「やっぱり」
「なんで?」
「箱の説明をよく読んでみろ!」
どれどれ、28錠14日分、一日二錠。
ということは、一回一錠ではないか。
なるほど、よく効くわけだ。
アチョー!
翌日、ちづるが私に薬を手渡した。
「安い薬を買ってきたぞ」
昼間はともかく、夜はそんなに花粉の影響はないはずだから、
安い薬を飲んでおけということだ。
というわけで、朝は高級、夜はB級の薬を飲むことになった。
朝4時。
ズピズパ。
鼻がおかしい。
ずっと奥の方で何かがドンタタ踊っている。
鼻の付け根を指で押すとチピチピと音がする。
仰向けで寝ていると溺れそうだ。
そのあと、鼻をかんだり顔を洗ったり、しまいには鼻にティッシュを詰めたけど、
結局起きる時間まで寝られなかった。
やっぱり薬は高いほうが効くのね、という話。

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もしかしてB級の薬は一回2錠のところを1錠しか飲んでないんとちゃいますか?
…以前ワタシがやった読み間違いですねん。