先日、名古屋に行った時のこと、
私たち夫婦は、大好きな、というか、他に知らんというか、
東急ハンズで解散した。
自由になった私は、文具、工具、食器に並んで興味深い耳かき売り場で、
丹念に新作を物色していた。
すると、若くてきれいな女性に声をかけられた。
なにやら男性用日焼け止めの説明をしているのだそうだ。
「お時間よろしいですか?」
という呪文で催眠状態に陥った私は、
「はい」
と答えるよりほかになかった。
するとその女性、私の手を取り、手の甲になにかをヌリヌリし始めた。
なんということだろう。
ぽーっとしている場合ではない。
この女が、
「魂をもらうぞ」
と言ったときだけは正気を取り戻して拒否しなくてはならない。
しかし、魂を奪われるどころか、
「ありがとうございました」
とお礼を言われたうえ、おまけまで貰ってしまった。
これが“都会”なのか。
このあと、ちづると落ち合い、最上階で休憩したときこの話をした。
偶然の出来事を黙っていて、
「あんた、この手の甲はなんなの!」
などと後から叱られるのは心外だ。
「そういえばその階はあまり見てない」
とちづるが言うので、エスカレーターで降りていく際、
もう一度その階に寄った。
そういえば、私も耳かきの選別が途中だ。
遠目に耳かき売り場あたりを観察してみる。
いた!
あの子だ。
ああ、またヌリヌリされたい。
これを運命の再会と思ってくれるだろうか。
でもまたあそこに行くのは恥ずかしい。
ぬられたい。
はずかしい。
塗。
恥。
今ここに一輪のマーガレットが咲いていたら、
塗られたい、恥ずかしい、で花びらを抜いていくに違いない。
こうしてエア花占いをしながら、耳かき売り場を観察していると、
意外なことに気がついた。
もう一人、同じエプロンをして同じカゴを持った女の子がいる。
あの子もヌリヌリしてくれるのではないか。
運命の再会
新しい出会い
再会
出会い
あっち
こっち
・・・
・・・

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けどどうせ野良仕事で汗とともに日焼け止めなんてながれちゃうから買いませんけどね(笑)