人間の一番の武器は、この脳だ
爪は切りそろえられて、健康のお月さんが気になるし、
牙は老後のためにわかりやすく並べ替えられた。
翼は元々ないし、夜目どころか、昼間も危うい視力になってしまった。
野生の部分はほとんど残されていない。
ただ脳だけが“思考”という、生き残るための術を温存していた。
その脳さえも、今や『あっちょんぶりけ』で『ぱーぷー』なことにしか使われていない。
本来は厳選されたサバイバルツールであるべき脳が、
現状は第二体育倉庫ぐらいの不要物置き場になっている。
そういうモノの動かないところには何者かが住み着く。
脳でも例外ではない。
妙なもののねぐらになっていることがある。
最初の住みつくのが『魔』だ。
ときどき刺す。
『魔』に刺されると、知らないうちに自分がろくでもないことをやっている。
それが発覚して、
「すいません、魔に刺されたもんで」
という言い訳は通用しない。
「すいません、蚊に刺されたもんで」
と言って会社を休めないのと同じ理由だ。
この辺に住み着くやつらで、有名なのは悪魔と天使だ。
おもに財布を拾った時に現れる。
だいたい、悪魔は仕事熱心で、天使はいいかげんだ。
なのにこの二人はいいコンビなのだ。
そしていつも、話し合いは簡潔に明瞭に、そして財布は隠滅される。
このように、脳にはいろんなエキスパートが住んでいる。
自分でも知らないうちにハイレベルな住人がいる時もある。
おそらく、私の脳にも経済の専門家がいたのだろう。
ブログ用のメモ帳にこんなセリフが残されていた。
『株式芸者』
低レベルのダジャレだ。
これを保存しておいた神経がわからない。
たぶん、脳に保存のエキスパートがいたのだろう。
こいつがふだんから目いっぱい働いてくれてたら・・・
これを素通りして、先に進もうと思った時、
何者かが頭の中に現れた。
それはそう、かなり奥底の方。
海馬に近いあたりのことだ。
たったひと言こう言った。
「芸者稼業は有限どす」
ああ、私の頭の中にも芸者がいてくれたんだ。
ありがとう、脳内芸者。
おかげで、ネタが一本できました。

↑クリックしておくれやす
スポンサーサイト
師匠、居酒屋で酔いつぶれてばかりいると脳がマヒして財布を隠滅したりするんだよ。
私の脳には常に正義の使者が住み着いているからねっ!
でも芸者は賞味期限切れ・・・