いつもの居酒屋に入るとカウンターには特撮マニアのKYさん一人だった。
この人とは話が合うので隣に座ることにした。
あとから話の合わない人が来たときのために、片側を封鎖したのだ。
バイトの早番は最近入った若娘。
先週根掘り葉掘り聞いてやろうと思っていたら、私の隣に座った女の子が母親だと聞いて、
年配グループは軒並み落胆したものだ。
最近復帰したスキンヘッド2号が来た。
すれ違ったことはあるが、店で一緒になるのは数年ぶりだ。
あいかわらず声がでかい。
座敷に予約の客が一組来て、遅番のバイトのМえが出勤してきた。
店を見渡して「ヒマそ~」と喜んでいる。
ここしばらく、忙しい日ばかりだったのだそうだ。
そういえば、常連筆頭のスキンヘッド1号が来ていない。
「理由はこれよ」と女将さんがテレビをつけた。
直接対決ではないが、ドラゴンズが勝っていて、ジャイアンツが負けている。
女将さんとオーナーはドラゴンズファンで、1号はジャイアンツファンなのだ。
「呼び出したれ」とМえが電話を掛けたが出ない。
しばらくしてからもう一度かけ直したが出ない。
確定だ。
いつもジャイアンツが勝っていると厨房にいる女将さんに実況中継をし、
ジャイアンツが負けているとチャンネルを変えてしまう。
この電話の意味が分かっているから出ないのだ。
しばらくすると、1号の近くに住む常連さんが来て、
「彼の部屋には明かりが点いていたよ」と報告した。
どうやら今夜は来ないつもりらしい。
と、店に電話がかかって来て、Мえが出た。
話の中に1号の名前が出たところをみると、来るつもりで混雑状況でも確かめる電話か。
「ううん、オーナーから。1号がいたら威張ってやろうと思ったんやて」
なんで野球ファンってこうなのだ。

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