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宵の口の攻防

それはある冬の夜のことじゃった。

私はいつものように、仕事が終わってから実家に行った。
ダイコンやハクサイなど、食材が豊富にあったから買い物をしなくてよかったし、
昼間に行ったちづるがおかずを作ってくれたので、料理もしなくてよかった。
つまり、母の血圧を測って、夕食を一緒に食べればいいだけの楽な日だった。

とはいえ『いっしょにいる』とか『会話をする』というのも大切な時間だ。
私は母とこたつに入っていっしょにテレビを観ることにした。
母は番組内の人の言葉に返事をしたり、謎のタイミングで笑ったりしていたが、
そのうち目を閉じてウトウトし始めた。

しめしめ、これは早めに帰れそうだ。
母にトイレに行って寝室のベッドで寝るように言っておいとましよう。
母のうたた寝はまだ浅かったので、ちょっと声をかけたらすぐ目を開けた。

「ワシもうそろそろ帰るでな。トイレに行って寝室で寝てな」

「あっそう、私もボチボチ帰って寝るでな」

なにやらおかしなことを言っているが、寝ぼけているのだろうか。

「ここが家やないか。あっちの寝室に行って寝やないかんがな」

「あっちへは行きたない。こっちの部屋で寝る」

「そこは寝るとこあらへんやんか」

「ここにはないさ、二階に行くんさ」

「このうちは平屋やがな」

その後も母は寝室に行きたがらない。
そっちには行ったことがないとか、お前が帰ってから好きなとこで寝るとか、
まだトイレに行きたくないとか、そっちに寝るとこはないとか延々と駄々をこねる。
それでまた寒い部屋に行ったり地べたに転がったりされたら大変だ。
私が説得し母が反抗するというパターンが40分も続いた。

さすがにイライラしてきたので「じゃあ寝なくていいからこっちにこい」と言って、
寝室まで連れて行き、いつも寝ているベッドのある部屋を見せた。
すると母は、

「あ、私の部屋」

じゃあここに寝られるなということで、トイレに行けと言うと、

「トイレ、行きたかったんさー」

戻ってきて横になり、ふとんをかけてやると、

「あ~、やっぱりこの寝床が一番」

めでたしめでたし。






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寝たいのに
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[ 2022/12/24 07:18 ] 身内のこと | TB(0) | CM(3)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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