お年寄りは物を捨てたがらない。
もちろんウチの母にもそういう習性がある。
たとえば、ちぎった日めくりは4つに折って数カ所に保存されている。
なんでそんなものを大事にしているのか聞いたら、
「なんかの時に役に立つときがあるんやぞよ」とのことだ。
1日に1枚以上使っていかないと過剰在庫になるに決まっているではないか。
こんな薄紙すら捨てないのだから、プラゴミを素直に捨てるはずがない。
母にはコンロを使わせないようにしているので、
コンビニやスーパーのプラスティック容器が結構出る。
私やちづるがいるときは、洗ってお勝手口を開けたところのプラゴミ干し場に置く。
母もたいていは洗ってくれるのだが、そのあと選別がおこなわれるらしい。
ふたのついているもの、厚手のトレイ、印刷がきれいなものなどは保存される。
水切り桶に食器と並べられていたり、コップ立てに立てかけてあったり、
どうかすると冷蔵庫で冷やされていたりする。
もちろん見つけたら全部プラ用ゴミ箱に直行だ。
可燃ごみの収集前日には、あちこちのゴミ箱のゴミを集める。
母がテレビを観る椅子の両側にもゴミ箱がある。
ここには座布団みたいに折りたたんだお菓子の袋がたくさん入っている。
以前、こたつの天板の下にも大量にキープしてあったので、時々確認する。
どうやら伸ばして畳む習性もあるらしい。
そういえば、私がその辺に置いておいたタオルやエコバッグもすぐ伸ばして畳む。
ヤクルトの袋もきれいに畳んであちこちに置かれている。
ある意味、几帳面ではあるのだろう。
さて、ある日の帰りがけ、私が可燃ごみを集めていると、
母が食卓で何かを伸ばして畳んでいた。
ティッシュよりは厚そうだし、キッチンペーパーよりは小さい感じがする。
私の推測では、乾いたウェットティッシュだ。
確かに母は手を拭いたぐらいでは捨てないから、ポケットに入れていたのだろう。
「それはなに?」
「ゴミ」
「そしたらこの袋に入れて」
私はゴミを集めていた市指定の袋を開いて差し出した。
すると母は、
「捨てるようなゴミとちがう」
と、それをまたポケットに入れてしまった。
なるほど、母には『捨てないゴミ』というジャンルがあるのか。
ま、ええんじゃない。
捨てるレベルになったら捨ててもらおう。

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