徒歩で通勤していたころは、会社帰りに近くのショッピングセンターに寄り、
中にある和菓子屋チェーン店で居酒屋への差し入れを買ったりしていた。
ちょうどその時間に行くと半額サービスタイムになっている。
お値打ち値段で居酒屋の女子のご機嫌をうかがうにはちょうど良かった。
しかし、和菓子というのは好みの分かれる要素も多い。
こしあん粒あんぐらいはガマンできるとしても、
例えばちづるやМえはご飯粒とあんこのセッションが許せないという。
おはぎや桜餅はアウトなのだ。
他にもみたらしはOKでも蜜団子はだめだとか、抹茶味は認めないとかややこしい。
それに引き換え、洋菓子は話が簡単だ。
シュークリームやプリンを買って行って文句を言われることはない。
ケーキなんて買って行ったら、ちやほやされて当然。
クレームをもらうことなんてありえない。
と思っていたのだが、過去に一度だけこういうことがあった。
居酒屋メンバーの集まりでケーキを買う係になった私。
ある女子に「ショートケーキじゃない方がいい」と言われ、
「まかしておけ」とドンと胸をたたいて引き受けた。
私はフルーツがいっぱい乗った360度カットされていないホールのケーキを買った。
で、宴会、ケーキのお披露目、ワーッとやって盛り上がった後、その女子に、
「ショートケーキやけどな」
と言われた。
なんでやねん!、丸っと一個やんけ! これのどこがショートやねん!
が、ショートケーキとは小さく切ったケーキのことではないというではないか。
正しい定義はその時叩き込まれたはずなのだが、すっかり記憶はあやふやだ。
確か生クリームを使っていたらショートケーキ、とかいうことじゃなかっただろうか。
自信がないので断言はできないが、私の思ってたのとは違っていた。
ただ、これに関しては私も反論したい。
女子と男子でとらえ方が違っているのだ。
その証拠に、この時カウンターにはおっさんが6~7人はいたが、
全員が「ショートケーキとは、切ってあるやつ」と認識していた。
これは、イチゴショートが諸悪の根源のだと思う。
だって女子も1ホールのイチゴケーキのことを『イチゴショート』とは言わないではないか。
理屈で言えば、あれは『大イチゴショートケーキ』ってことだろう。
なのに小切りしてあるやつは『イチゴショート』って呼ぶのだ。
これではおっさんは「小さく切ってあるのがショート」って思うに決まっている。
『ショート』って単語が「小さいよ」的なイメージにもつながる。
おそらくホールケーキの円周が短いってことに違いないのだ。
違いないと書いたけれども違っているのだ。
もう、どうしたらいいのだ。

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