『チコちゃんに叱られる』が終わるとともに仮眠から目覚め、
準備をして予定通り9時半に家を出た。
これは私とちづるの普段の行動から考えると、驚異的な早さだ。
それほどまでに、この土曜日はやることが盛りだくさんなのだ。
まずは途中のスーパーに寄って母用の食品を買う。
もちろんお昼用のお寿司もかごに入れる。
この時間帯はかなり混雑するのでレジの行列も長い。
私は培ってきた経験からある行列に並んだ。
この列だけは、レジのところで二つに分かれるので進むのが早いのだ。
実家に着いたのは10時半ごろ。
もちろん行くことは前日に伝えてあるのだが、母は「あら珍しい」と言う。
今日は月に一度の病院に行く日であることを教えるとびっくりしている。
何度も同じ説明をして準備をさせ、ともかく私は母を連れて家を出る。
「ちづるが留守番をしてくれるから安心」と母は喜んでいる。
この日は不思議なことに、病院がとても空いていた。
受付を済ませ待合室に座ったらすぐに「診察室前でお待ちください」と言われ、
座ったと思ったら名前を呼ばれて診察室に入った。
病院に着いたのが11時だったのに、正午前には家に戻れた。
あとで聞いたのだが、この時ちづるは焦ったそうだ。
この日は母の毛布をコインランドリーに洗いに行く予定を立てていた。
私たちが病院に行っている間に、ちづるが毛布をまとめておく。
ちづるはついでにその辺のものを洗濯したのだそうだ。
洗濯機が止まってすぐに私たちが帰ってきたのだ。
この、毛布を洗いに行く作戦は母には内緒だ。
こんなことをすると言ったら「そんなことせんでええ~」と嫌がるに決まっている。
だからこっそり行われるのだ。
ちづるがお昼の用意をしている間に、私は風呂を洗ってお湯を溜め始める。
三人でお寿司を食べ、ちょっと一服したらちづるは「買い物にいく」と言って家を出る。
一旦玄関から出て、縁側から入って毛布を回収して出かける。
毛布を洗っている間に洗濯したものを乾燥機にかけ、次に毛布を乾燥機にかけたそうだ。
ちづるが出て行って、私は母をお風呂に入らせるための説得にかかる。
母は「お風呂は夜入るもの」という先入観があるのでいつも嫌がるのだ。
それでも何度かこうしているので最近は説得時間が短くなってきた。
母がお風呂に入ったら、母のベッドに布団乾燥機をセットし、洗い物をする。
母が風呂から上がって二人でしゃべっていたらちづるが帰宅した。
もちろん一旦縁側から毛布を寝室に入れてからだ。
そこで、今思い出したように「そうだ、ふとん乾燥機を片付けよう」と立ち上がった。
布団乾燥機をかけてあることは、母に入浴させる作戦として言ってある。
私とちづるがドタバタと寝室に行き乾燥機を撤去し、毛布と布団をセッティングする。
あとからよちよちと追い付いてきた母は、毛布が外から持ち込まれたことは知る由もない。
布団の間に手を入れて「ほっかほかや」と喜んでいる。
ちづるの八面六臂の活躍のおかげで、作戦は滞りなく完了した。
よほど動き回ったのだろう、私たちが帰るとき、母は、
「あれ?もう一人おらへんだ?」
と不思議がっていた。

↑家に帰ってから種蒔きしたよクリックしてね。