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父ちゃんのおかず作戦

母がごはんをたくさん残らせていた理由は、仏壇に供えるためだった。
毎朝炊き立てを供えなければならないと思っていたから毎朝炊き、
1合だけ炊くのは葬式と同じで縁起が悪いからといって2合炊く。
おばあさんが一人で、ごはんを一日2合も食べられるはずがない。
しかもちゃんとお供えしたごはんも食べるのだ。

「ごはんは、食べ終わったら炊いて、その時に備えたら良いのだぞ」
と何度も説明したのだが、はるか60年前、生まれ育った実家ではそうだった、
という経験がそうさせているのだった。

しかし、そのうちごはんを炊く理由が変わってきた。
「父ちゃんらが食べるから」だというようになった。
母は、父が亡くなったことは理解しているのだが、それとは別に『遺影の父ちゃん』と
『誰かと二人で隣の市に遊びに行っている父ちゃん』がいるという設定でいる。
その人たちのごはんを用意しようとするのだ。

そんな人たちはいない、と説得するのはもう無理だ。
彼らがいるから「自分は忙しい」と思っているので、
「一人で寂しい」と落ち込んでいくよりはましかもしれない。
遺影の父ちゃんには「何度ごはんに呼んでも降りてこない」と怒っているし、
遊びに行っている父ちゃんには「いつ帰ってくるかわからない」怒っている。

私は「食べるか食べないかわからない人の分のごはんを炊くな」と何度も言った。
母もちょっと納得しているようだ。
遺影の父ちゃんは「あんなところでじっとしているから腹も減らんのやろねえ」
遊びに行っている父ちゃんは「外で食べてきたリするからねえ」と思っている。

ところが、最近炊き過ぎごはんがなくなってきた。
遺影の父ちゃんが変な時間に降りてきたリ、もう一人が突然帰ってきたリしたときのために、
カップ麺とインスタントごはんを買ってみたのが、効き目があったのかもしれない。

これはありがたいのだが、おかずはまだ二人前作っているようだ。
先日行ったときも、電子レンジにサンマの干物の焼いたのが二つ入っていた。
自分の分を作るとき、遺影の父ちゃんの分も作るからだ。

昨日、仕事が終ってからスーパーに寄って実家に行った。
足りなくなっていた食材のほかに、冷凍のお好み焼きと焼きそばを買った。
どちらも父の大好物だ。
これを見せたら母も歓喜の声をあげた。
「いつ食べに来ても、これを出したったら喜ぶなあ」


これでおかずを余分に作ることもなくなるだろう。
いや、なくなってもらいたい。
しかし、この時期とても心配なことがある。
父は、餅が大好物だったのだ。
さて、年末年始、次の作戦を考えなくては。






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のびる
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[ 2020/12/10 07:00 ] 身内のこと | TB(0) | CM(3)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


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