fc2ブログ
2020 101234567891011121314151617181920212223242526272829302020 12
月別アーカイブ  [ 2020年11月 ] 

バーチャン・ファンタジー

ある日、実家に行くと父の遺影の下に脚立が置いてあった。
母に訊いたら、

「父ちゃんが降りてきやすいように」

だそうだ。
時々降りてきて一緒にごはんを食べたという。
どうやら父は写真の中にいるという設定らしい。

それとは別で、

「父ちゃんは友達と隣の市まで遊びに行っている」

ともいう。
ただ外出しているだけで、夜になったら帰ってくるという設定らしい。


私が「父ちゃんは亡くなったやろ」と確認すると「そうやねえ」と納得する。
で、「父ちゃんじゃなくておじいさん」と言い出す。
夢か幻じゃないかと諭すと「夢なんやろか」と聞き入れる。
ひょっとしたら母だけに見えているのかもしれない、と心霊説を出してみると、
「そういうもんやろかねえ」と感心している。

強硬に逆らってこないところが助かっているが、
これはなんかヤバい感じだ。


ところが、最近言うことがちょっと変わってきた。
先日は写真の父に腹を立てていた。

「ごはんを食べに来いと言っても全然来ない」

隣の市に遊びに行っているという父にも、

「2~3日帰ってこない」

と言っている。
つまり、父の姿をだんだん見なくなってきているのだ。
「昨日は見た」という時も、よく聞くと後ろ姿だったり、顔が見えなかったりするらしい。
なんとなく存在が徐々に薄くなってきているようだ。

これはどう考えたたらいいのだろう。
『父がまだいる』説は困りものだが『居なくなりつつある』のなら良い傾向なのではないだろうか。
ただ、こうなると心霊説が一番しっくりくる。
つまり、母には本当に父が見えていて、それが消えつつあるということだ。

これは母も理解しやすそうだ。
遺影の父が食事に来ないのも「あそこでは腹が減らへんのかもしれんな」と言っていた。
写真の中=あの世、という図式を持っているのかもしれない。
私はそれに便乗した。

「そろそろ父ちゃんはこの世に未練がなくなって、あちらの世界に行くのだろう。
 だからそのうちここには来なくなるからな」

母もこの説明が一番しっくりきているらしい。
で、寂しがっているのかな、と思っていたら、

「そしたら近い方のベッドで寝られるようになるわ」

とも言っていた。






↑味噌汁で卵を三つも煮るのをやめさせたいのだけどクリックしてね。




頭ひとつ
スポンサーサイト



[ 2020/11/22 09:58 ] 身内のこと | TB(0) | CM(3)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


    ※はじめてご利用のみなさまへ※
       ★おヒマならこみ箱★
     ★こんなんですがギャラリー★


    ↑いい人はクリックしてね。
    人気ブログランキングへ



月別アーカイブ
ブログ検索
ブロとも申請フォーム