私はジムに行くと、まず最初にウォーキングマシンに乗る。
これはコンベア式ではなく、ペダルに足を乗せて漕ぐタイプだ。
立って乗る、可動範囲の広い自転車みたいな感じだ。
だからひざへの衝撃が少なく、痛める心配がない。
コース設定をすると足を上げる角度が自動で変わる。
つまり、坂を上ったり平地になったりする理屈だ。
いろいろ試した結果、一番辛いと思う4コースを選ぶことにしている。
負荷は10で30分だ。
この後、別のウォーキングマシンに移動する。
こちらはコンベア式だが動力が付いてない。
少し傾斜が付いていて、自分の脚力でコンベアを後ろに蹴って進む形だ。
これを私はヒザの高さのバーを持って、ぞうきんがけのような体制で歩く。
この運動は、ジムの常連でもやる人はほとんどいない。
なぜならあまりにもハードだからだ。
これをしていると、スタッフの人に「きついのやってましたね」と言われた。
常連さんに「すごいですね」と話しかけられたこともある。
最初は1分間歩くのがやっとだった。
1分間のインターバルで3セットやって崩れ落ちたものだ。
それが慣れてきて5セット7セット10セットやるようになった。
2分を5セットにして、3分を5セットにして、5分を3セットできるようになった。
なにしろ休憩時間が少なければトレーニングの能率がいい。
月曜日、この歩き方で何分やれるかチャレンジしてみることにした。
結果、一気に16分できた。
この記録もこれが限界ではなく、次のトレーニングの時間だからここでやめたのだ。
奥田英郎の『イン・ザ・プール』という小説で、
水泳は慣れると歩くのと同じようにいつまででも泳いでいられる、という一節がある。
まさに、私はいつまででもこの姿勢で歩いていられる体になったのだ。
こうなるとチャレンジしたくなるのが人間だ。
最初のマシンのウォーキングをやめて、
ジムのスタートから1時間、この歩きを続けることができるだろうか。
それができてこそ『いつまでもぞうきんがけで歩ける男』になるのではないか。
ちょっと心配もある。
よく見る進化の過程のイラストに逆行しているような気がすることだ。
他の常連たちに「猿人」とかあだ名を付けられているのではないか。
このまま続けていたら、普段の歩きも手を使うようになるのではないか。
そして二日後。
今朝起きたら太ももがガクガクだ。
久しぶりの足の筋肉痛だ。
筋肉痛は太ももが一番つらい。
今日もジムの日だが、人間のように歩こうか。

↑手でも足でもいいからクリックしてね。
スポンサーサイト