わが家の庭についに業者さんの手が入ることになった。
私が車を置いているスペースは裸土なので雑草の世話に往生していた。
家を建てた時、数年以内に下水道工事があると言うのでコンクリートをしなかったのだ。
なにしろ手間もお金もかかるので下水道が通ってからも放置していた。
それをやっときれいにしてもらうのだ。
思い切った時にできることはやっておいたほうがいい。
前の庭の木も抜いてもらうことにした。
根が張って、内側からレンガを押しているので危険なのだ。
この工事が始まると言うので先日から大わらわだ。
古い物置とか、いらない植木鉢も全て処分してくれるらしい。
逆に言えば、そのまま置いていたらすべて捨てられてしまう。
物置の中の物も、私の育苗道具も、プランターも必要なものはどけておかなければならない。
中でも一番大変なのが、前の花壇に敷いたレンガだ。
ああ、そうだった。
家を建てたばかりの頃は、ああしたいこうありたいと手を掛けたものだ。
そういう勢いのあったころに、100個ほどのレンガを買って来て、
花壇と砂利部の間に立てたり、敷いたりしたのだ。
これも放置していたらすべて処分されてしまう。
いや、処分してもらった方がいいのではないか。
いやいやそれはあまりにももったいない。
だったらどうしたらいいのだろう。
そうだ、畑に持って行こう。
道具入れの下に草除けに敷いたり、畑のふちに並べたらいい。
いや待てよ、それより苗の風よけになるのではないか。
重みがあるし、子苗ぐらいの高さならかくせるではないか。
普通は苗を植えると“あんどん”というのをする。
これは肥料袋などを支柱で立て、苗が風でやられるのをふせぐのだ。
風のひどいときは揺すぶられて、根の辺りからちぎれてしまうこともある。
ただし、あんどんはとてもめんどくさい。
このレンガで苗を囲んでおこう。
そう思って、花壇のレンガを48個はがして畑に運んだ。
その頃植えたばかりの苗はキュウリとゴーヤが6本ずつ。
一つの苗に付き4個のレンガで周りを囲むのだ。
あんどんに比べたらずっと背は低いが、根から切れてしまうことはないだろう。
高いところから見たら4このレンガが花のようだ。
それが2本の畝に6個ずつ。
なんだか遠目にファンシーな畑になった。
次に畑に行ったとき、近所のおばちゃんが寄ってきた。
「そのレンガはなんですの?」
「コレコレこういう訳で」
ちづるも会社の人に、
「あんたとこの畑、なにをしたんや?」
と訊かれたらしい。
通って行く人も足を止めて見ていたりする。
畑で目立つことをしてはいけないのだ。

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