まったく今回の台風は変態だった。
ときどき「おまえはルンバかっ!」と言いたくなるような迷走台風もあるが、
まさかの逆コース、裏口からやってくるようなでたらめ台風は初めてだ。
小笠原諸島に来た台風は右に曲がって太平洋に行く約束になっているのではないのか。
噂によると、未だに九州辺りでウロウロしているらしい。
裏口から入って玄関から離れていかないなんて、通報されても仕方ないレベルだ。
それにしても日本の気象庁はえらいと思う。
あんな予想コースを発表して「そんなことあるか」と疑う者がいないのだから。
アレを発表したのが総理大臣だったら絶対誰も信用しないだろう。
気象庁を信用した一人でもある私は、事前に片づけをしておいた。
庭に出ていた植木鉢などを風の当たらない位置に移動し、
背の高いもの、飛びやすいものは玄関の中に入れておいた。
ちづるの車は道路に近いところに普段置いているのだが、
私の車を奥に入れ、風の通り道からはなれるようにした。
ちづるは私の部屋以外の雨戸を閉め、ちょいと食料なども買ってきたようだ。
信用のおける気象庁さんが、
「今までの常識が通じない可能性がある台風」
とまで言ったのだから、備えをしておいて間違いはないだろう。
備えをしたら安心してしまった。
まさにこの伊勢市に上陸したという時に、私はすやすやお休みしていた。
一応ニュースを見ていたのだが、待ちくたびれて寝てしまったのだ。
そんなわけで、朝目覚めた時にはヘンタイは通り過ぎていた。
あらまあ、大したことなかったな、と思ったのだ。
が、朝のニュースを見たらけっこう近隣の市でも被害が出ていたようだ。
津市では屋根を飛ばされた家があったらしい。
ちづるによると、風が強くなった後、一瞬とても静かになったらしい。
あまりに見事に直撃だったので、台風の中心が通って行ったのかもしれない。
台風の目とまでは言わないが、渦の真ん中は風が弱いのではないか。
家の周りを見て、何も被害が無くて一安心していた。
が、畑はえらいことになっていた。
ゴーヤのネットが倒れ、キュウリネットにもたれかかっている。
トマトの支柱は折れ、ナスやピーマンもかなり風にやられたようだ。
こないだまで高気温と水切れに耐えていたというのに。
会社に行ったらさらにビックリ。
店の自動ドアから雨が吹きこんだらしく、店内に大きな水たまりができていた。
駐車場は飛んできた葉っぱだらけ。
砂利や小石も隅っこに溜まっている。
驚いたのは会社の裏だ。
土の入った大きな鉢が二つ置いてあったのが無くなっていて、隣の空き地や側溝にもない。
どちらかの中に入っていたであろう、雑草の生えた土の塊が一つ残されていた。
この鉢はプラスティック製だが、開店記念の観葉植物が植えてあった大きなものだ。
土入りだとかなりの重さだったのだが、そんなものも飛ばすほどのすごい風だったのか。
だとしたら、どうして私は干しておいたスイカの皮が残っているのだ?
休み前にSちゃんのおばあちゃんが差し入れてくれたスイカをいただき、
ゴミ箱に捨てる前に乾燥させようと思って干した皮。
もうほとんど乾いてペラペラになっていたのに、なぜそこにあるのだ?
それも台風が変態だったからなのか?

↑濡れたスイカの皮は乾かし直しだけどクリックしてね。
スポンサーサイト