横綱日馬富士が引退してしまった。
暴力はいけないことだが、相撲取りとプロレスラーにそんなこと言っても仕方ないと思う。
ケガをさせてしまったのは、失敗だ。
先輩として、冷静さを保つのとげんこつがヘタなのだろう。
私は日馬富士のファンというわけではないが、引退しなくてもいいと思う派だ。
土俵の外のことは私には関係ない。
そっちのもめごとは刑事罰と民事訴訟でけりをつけてほしい。
でないと『大相撲』の中の戦うキャラが減ってしまう。
強くて個性的なキャラクターは豊富な方が面白いのだ。
だいたい、彼が辞めて誰が得をするというのだ。
ライバルか?
それとて、相撲自体が衰退してしまっては元も子もない。
品位を汚したとか罰を与えろと言う一般人は何か迷惑を受けたのか。
自分も評論家気分、いや、横綱審議会気分になっているのではないか。
私はスポーツは現役選手が一番偉いと考える。
OBやらスポンサーやらが威張っていてはいけないのだ。
だから相撲の経験者ですらない横綱審議委員は嫌いなのだ。
白鵬がお客さんにバンザイさせたからと言って注意されたらしい。
お客さんにバンザイさせるようなゆかいな横綱がいたっていいではないか。
ともかく横綱は品位があって冷静沈着で横審や協会に従順であれと言われている。
それって「個性を出すな」「言われた通りに動け」ということだ。
まるで機械のようなような存在であることを求められているのだ。
将棋や囲碁の世界では、人工知能との戦いがあった。
横綱に機械のようでいてほしいなら、機械を導入すればいいのだ。
外人力士が入ってきた時のような、第二の変革期だ。
今やロボットはほとんど倒れないようにプログラムされている。
相撲向きではないか。
しかし、開発する企業には大きな壁が待っている。
相撲には厳格なルールがある。
ロボットであっても、いやロボットであるからこそルールに沿ったインプットが必要だ。
相撲で一番重要なルールはなにか。
もちろん『髷を結う』だ。
なにしろ髷を結っていなければ土俵に上がることができない。
悲しい理由で髷が結えなくなった力士は、暴力を振るわなくても引退させられるのだ。
だから、相撲に参入する企業は毛生え機能を開発しなければならない。
これは他分野にも大きな影響を与えることだろう。
ひとつの発明が系統樹的に拡散していき、多くの効果を上げることは望ましい。
とても望ましい。
さあ、これさえクリアしたらメカ力士は土俵に上がれる。
データを蓄積し、改良を加えていけばけっこう上位にも上がれるだろう。
ただ、心配なのは故障だ。
取り組みで受けるダメージかなり大きなものになるだろう。
たとえどこかに不具合が起こっても、力士は自力で控え室に戻らなければならない。
投げられたメカ力士が土俵下で動けなくなる。
そんなときはお付きのメカニックがサササッと走り寄る。
応急に控え室に戻れるだけの修理をする。
で、関係者にこんな事を言うかもしれない。
「調子の悪い時は、てっぺんを叩いてやってください」
なんて。

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