紙の注文は本当にサイズが様々だ。
なのでどうしても残り紙ができる。
どこの紙屋でも印刷屋でも、山積みの在庫があり、大量に捨てている。
私はそんな紙たちを使ってメモを作っている。
私が作るメモの使い道は三種類だ。
まず、白やグレイ、茶系のナチュラルな紙たち。
これらが無料のサービスメモになる。
店で千円以上お買い上げのお客さんに差し上げているのだ。
たくさんの色が混じったカラフルなメモ。
これは適当な厚さ、大きさにしてセロファンで包み、ワゴンで百円で売る。
なにしろ残り紙で作っているので色合いやサイズはその時々だ。
「どうしてこれが同じ百円なの?」と思えるほどの差がある。
早く見つけた人がいいものを買えるのだ。
そしてもう一つはワゴンで売るのと同じカラフルメモだ。
同じメモなのだが、その出来が違う。
つまり、良い色ばかりそろった時にできたメモだ。
私のように長年メモに携わっていると、メモの美しさがわかる。
誰にでもわかるのだが。
こういうのは、大きな塊のままキープしておく。
もちろんワゴンが空いてきたら適当なサイズにして売ることもある。
でも、常にどれだけかはストックしている。
私がお気に入りの人にあげるのだ。
社員や業者の人はもちろん、気に入った飲食店に持って行って覚えてもらったりする。
いわば、私の地位を上げるために使われているのだ。
これでは会社の商品の横流しみたいだと思う人もいるかもしれないが、
会社に言ったところで怒られることはない。
なぜなら、メモの材料が不足したことなんかないからだ。
で、私はどんなメモを使っているかと言うと、メモを作った時の半端だ。
紙を積んでのり付けをするとき、一番上と下はきれいにならない。
なので別の紙を当てておいて、あとで切り取ってしまう。
薄いし見た目が悪いので売り物にはできないから、私が使う。
メモだけでなく、飲み物を置いたり栞にしたり、様々なことに使っている。
それでも使って行くのは追いつかない。
いやになってくると捨ててしまうが、そこそこ使えそうなのはまとめて事務所にあげる。
自社で使うのならどんなものでも構わない。
先日もまとめて数冊、口数多子に渡した。
「こみさん、これ大事のメモじゃないの?」
と、口数多子が一枚のメモを持ってきた。
私が覚書をしたのをつけたまま渡してしまったのだ。
・すき家とサイゼリヤ バイトの募集
・ナスの切り方
・覚えろと言われた歌
うがー、このブログ用のメモやないかー!
「なにを書いているの?」と訊かれたがとても言えない。
あまりに恥ずかしくて「覚えてない」としか言えなかった。
歌う調理師のバイトを探してると思われなかっただろうか。

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