昨年、最後に飲みに行ったとき、何やら変な感じがしていたが、
やっぱりそのあと風邪ひきになってしまった。
聞けば一緒にいたスキンヘッド2号も風邪をひいたそうだ。
潜伏期間もあるから、2号と私のウィルス元が同じとは思えない。
ともかく、私の風は無事ちづるにうつり、今では終息に向かっている。
が、出勤してイヤなうわさを聞いた。
本社に勤務しているО川が、元旦からインフルエンザで寝込んでいたという。
これは絶対うつりたくない。
なので本社から来た人には新年なのに不愛想な態度をとり続けている。
で、今日のお話にこの件は全く関係がない。
メインは私の仕事場の机の上だけで起こった小さなストーリーだ。
私は常にメガネを首にぶら下げて仕事をしている。
ぶら下げている間はレンズの内側が上を向いているので、
ゴミやらホコリやら私のなんらかのしぶきやらを受け止めている。
ふと見ると、メガネがケルヒャーの宣伝に使えるぐらい汚れているではないか。
こいつはちょっときれいに拭いてやろうと思った。
私の机にはポイポイと物を放り込んでおく小物入れがある。
一番大きいものはスティックのコーヒーとお茶を入れてあるケースだ。
他にもウェットティッシュやペン入れが納まっている。
たしかここに、コンビニでもらうお手拭きが入っていたはずだ。
それを使おうと思ってガサガサと探った。
あった。
が、なんだかいやな予感がする。
表面がぬるぬるしているのだ。
取り出してみると手が真っ黒。
墨汁だ。
なんでこんなところに墨汁があるのか。
家にあった墨汁を「百円ワゴンの看板描きに使おう」と思って持ってきたのだ。
それがこの小物入れの中ででんぐり返っていた。
とりあえずウェットティッシュやペン入れを取り出したが、これが間違いだった。
なぜなら、手がまっくろだったのだから。
当然取り出したものに墨汁がついてしまう。
「拭かねば」と思ったとき、幸いにも手にはおしぼりを持っていた。
それを開封してまずは指を拭いた。
瞬時に真っ黒になった。
お手拭きの外側についていた墨汁を中身に移しているようなものだ。
しかも袋は水分を吸収しないので、墨汁がポタポタ落ちた。
これはいかん、とメガネを取った。
しかし、残念なことにメガネをぶら下げるためのゴムひもに墨汁がついてしまったらしい。
ゴムひもというのは引きずってはいけないものだ。
摩擦と伸び縮みで予測不能の動きをする。
ほんの一ヶ所にチョンと付いていた墨汁がビチビチビチと飛び散った。
「うわあ」と叫んでとっさにメガネを持ってしまった。
持ったところは仕方ないとして、他に墨汁はついていないか。
メガネを掛けてないのでよく見えないが、メガネに謎の突起がある。
墨汁のしずくだ。
「拭かねば!」と思ってとっさにウェットティッシュを持ってしまった。
持ってしまってから「いかん!」と判断し、横にあったタオルを……
まず手を洗わねば、と気づいたのは大拭き掃除の義務が生じてからだった。

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