野球が終りサッカーが終り、駅伝が始まりスキージャンプが始まる。
ウィンタースポーツの季節がやって来たのだ。
一番注目を集めているのは、おそらくフィギュアスケートだろう。
気に入らん。
絶対に一回で『フィギュア』って入力できない。
もう一つ気に入らん、というより、気の毒に思うことがある。
私はスポーツをニュースでしか見ないが、情報として得られるフィギュアスケートは、
回転ジャンプを成功したかしなかったかに限られているからだ。
だからこんなに優雅な競技なのに、ジャンプの時だけやたら緊張感が張り詰める。
つまり、フィギュアスケートという競技は基本的に減点方式なのだ。
まず、完全形が設定されていて、いくつ失敗するかで勝敗が決まる。
もちろん、そこにはいろんな要素が加味されているが、
それを取り除くと、フィギュアスケートはボウリングなのだ。
ボウリングは究極の減点型競技だ。
まず、満点が300点だと決まっている。
その状況のことをわざわざ『パーフェクト』だと宣言している。
勝敗はパーフェクトにいくつ足りなかったかで決定する。
そんな簡単なことでは無いのだろうが、私は以前からこう思っていた。
ものすごいボウリング職人がいたら、毎回パーフェクトは可能なのではないかと。
だって、ピンは10本、レーンはまっすぐで平坦。
特に技も無く、相手に妨害されるわけでもない。
1対1の試合なら、相手の失敗を祈るしかないのだ。
だから見ていても盛り上がらない。
ヤッター感は勝敗が決まった時だけ。
後は、あ~あ感ばかりなのだ。
こんなにネガティブなままでいいのか。
ここは逆に、ボウリングにフィギュアスケートを取り入れてもらった方がいい。
つまり、加点のチャンスを与えるのだ。
例えば、曲がるボールとまっすぐボールで得点を変えるとか、
小さいボールで投げて得点をアップするタイミングを作るのはどうだろう。
実は私たちアマチュアにはわからない技もあるのではないか。
「ああー、この技は、転がっているように見えていながら逆回転で滑っている、
『スクリューローリングサンダー』だああー!」
なんて実況にも興奮してもらいたい。
加点ポイントできて勝負が面白くなったら、後は音楽と衣装だ。
ボウリングは構えてからピンが倒れるまでが短いから、それ用の音楽が必要だ。
登場から投げるまでの選手それぞれのマイミュージック。
球が転がっていく間の緊張溢れる無音状態。
そして結果によって「ジャジャーン!」と「ふゃふゃふゃ~」を分けるのだ。
後は美男美女に色っぽい衣装を着せて、個性的な投げ方を開発させる。
これで『フィギュアボウリング』の出来上がりだ。
後はヒーローヒロインが自然に現れるのを待てばいい。
私はこれはニュースでも見ないが。

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