最近、テレビを観ていてとても不愉快になるCMがある。
設定はおそらく主婦とその家にお客で来ている母娘だ。
主婦がテーブルをふきんで拭くと、「あらまだ水拭き?」などと言う。
ふきんで拭いたあとは雑菌がべらぼうに繁殖している。
よくぞお呼ばれしていてそんな失礼なことを言うものだ。
しかも、菌の繁殖は本来目に見えない。
目に見えてはいないけどこんな恐ろしい状況になってますよ、と言いたいのだ。
それをオススメの商品を使って拭けば、ほうら清潔で安心、とやって見せる。
これはまるで宗教絡みの洗脳商法ではないか。
目には見えないけど悪いものが憑いてますよ。
お金を出してこいつを落とせば安心ですよ、ってことだ。
だとするとあの母娘、自称霊能者親子なのではないか。
あのおとなしそうな主婦が危ない!
ともかく、雑菌がこんなに増えていると見せる映像は気持ちが悪い。
あのメーカーではお風呂バージョンの商品もあるが、
そちらでは子供を使ったもっと悪質な映像に仕上がっている。
人の恐怖を煽って商品を買わせようとする、非常識な手法だ。
ともかく、見えない菌を見えるようにしている。
なぜ菌は見えないかというと、見えないほど小さいからで、
それをどうやって見えるようにしたかというと、拡大したのだ。
この拡大率はちょっとやそっとのものではない。
顕微鏡レベルのものがテーブルにばらまいたビーズぐらいには見える。
これは誇大広告には当たらないのだろうか。
ジャロはなにをやっているのだ。
もし、殺虫剤のメーカーがゴキブリをこの比率で拡大したら、
それはもはや怪獣映画並みのモノになるだろう。
想像してみよう、下から見上げるゴキブリの腹側を。
しかも、あんなに巨大な雑菌がふきんが通った跡にいっぱい散らばっている。
ちょいとしたフシギ現象だ。
種がなかったらたとえ菌でもあのふきんからあんなには出てこない。
つまり手品だ。
それも映像加工を使った、もっともレベルの低い手品なのだ。
更に問題なのは、この商品で拭いたあとはあの雑菌がいなくなる。
おかしいではないか。
この商品の能力は“消菌”ではなく“殺菌”だ。
あれだけ巨大化させた菌を殺せば、確実に死骸が残る。
CMが本当だったとしたら、テーブルの上は菌の死骸でザラザラしているはずだ。
あの映像が本当なら、必要なのはホウキとチリトリだ。
まさに掃いて捨てるほどの菌の死骸だ。
ただし、これをホウキとチリトリでやると空気中に舞うだろう。
それはいずれふとんなどに付着する。
それを確実に取るのはふとん専用、紫外線でダニを殺しながら、
一分間に数百回叩きながら吸い取る掃除機だ。
吸い取ったものを取り出してみると、ほうらこんなに。
だから、見せるなというのに。

↑あの手法で納豆が見てみたいものだがクリックしてね。