私は日に三度寝る。
夜から朝の本睡眠と、朝ごはんを食べてから出勤するまでの仮眠と、
会社での昼寝だ。
そのたびにじゃまだと思うものがある。
それはかかとだ。
この足の後ろ側にある硬くて出っ張った部分が、私の心地良い睡眠を阻害する。
特に感じるのが出勤前の仮眠の時だ。
敷物があるとはいえ、板間なのでクッション性がない。
硬い者同士が我を張り合っているような感じだ。
あおむけに寝ていると、足はかかととおしりを両端とした橋のようになっている。
もちろん太ももやふくらはぎも設置はしているが、
こちらは柔らかいから地面に触れているだけで、足を支えてはいない。
また、面で重みを受け止めているおしりに比べ、かかとは点で設置している。
そこに足自体の重みが集中するので痛くなってくるのだ。
しんどくなってくると足を組む。
左足の足首部分に右足のアキレス腱部分を引っかける形になる。
これで右足は楽になるが、当然左足のかかとにかかる負荷は倍になる。
じきに耐え切れなくなって、足を交代させる。
この行為はむしろ足を疲労させているだけだ。
かかとの痛みに太ももの労働をプラスさせている。
この状況を独自で回避するには腹筋に頼るしかない。
だが、腹筋で足を浮かせているとしたら、それはもはや仮眠ではない。
ちづるに「足の下に座布団を敷いたら」と指摘された。
なるほど、ふくらはぎの下に高さをつけたらかかとへかかる重力は減る。
しかもふくらはぎはおしりと同じ面で重さを受け止めるタイプだ。
さっそく枕にしていた座布団を足元に移動させたらとても楽になった。
ああ、かかとを切り落とさなくてよかったと思った。
ところが悩みはひとつ解消されると別の場所で生まれるものだ。
枕代わりの座布団が足の方に行ってしまったので、代わりの枕が欲しくなった。
幸い和室の隅っこに枕が転がっていたのでそれを使うことにした。
私が引っ越し前の会社の休憩室で使っていた“い草枕”だ。
この暑い時期にふさわしい。
ところがこの枕、重大な欠点があった。
中身がたっぷり詰まっているので、真ん中が膨らんでいるのだ。
おかげで頭が左右に転がっていこうとする。
そしてそのたびに私の豊富な側頭部の短髪が、
「ざり、ざり」と不快な音を立てるのだ。
それを避けるため、頭を中心に置いておこうとすると、
バランスを取るために体のどこかに力が入っている。
これでは体が休まらない。
結局座布団は頭に戻ってきた。
やはりかかとを切らなくてはならないのか。
あんまり深く切ってしまうと土踏まずまで無くなってしまうし、
長さの割にすごい幅広の足ということになってしまう。
靴も簡単に脱げてしまいそうだ。
ま、そんなところで紙幅が尽きた。
では、近いうちにご披露しようと思っている、
『会社での昼寝でジャマなかかとへの考察』
をお楽しみに。

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