本代をケチっているわけではないが、ここしばらく新しい本を買っていない。
大昔に買って本棚の風景になっていた本を順番に片づけている。
今読んでいるのが、アメリカの古いSFドラマ『ミステリーゾーン』の原作だ。
なにしろ、20年も前にすでに古本だった上に、
元が外国だから発表されたのはそれはもう大昔のことだ。
海外生活などしたことがない私でも、読んでいてレトロに感じる内容だ。
人の居ない砂漠の道路を歩いていて過去に戻ってしまうサラリーマン。
反乱を起こした機械に襲われる嫌味な男。
人が誰もいない町で意識を取り戻した記憶喪失の人。
悪魔と契約を結んで不死身になった病人。
太陽が地球に近づいてきてパニックになった町。
なんというか、今や使い古されたアイデアの集まりみたいだ。
もちろん、その時代には最先端のSFだったのだろう。
ただ、今読むと「もうひとひねりないんかい!」と思ってしまう。
しかし、なぜこんな古いものを読み始めたかというと、
本屋に平積みしてある最新ミステリーを何冊も読んで、がっかりし続けたからなのだ。
ともかくミステリーは過去のネタを使うことにきびしい。
同じトリックを使うと凄まじいバッシングにさらされる。
そのせいで無茶なトリックやひねり過ぎの作品が今は多い。
精神世界に入って行ってしまったり、どんでん返しし過ぎてオチがわからなかったりする。
なんというか、読み終わって、
「ああ~、見事にだまされた」
という爽快感を味わうことができないのだ。
同じような状況にあるのが音楽界ではないだろうか。
音楽も、似たフレーズがあると結構叩かれる世界だ。
音程とリズムの組み合わせなのだから、限りがあるに違いないのに。
そのせいか、最近の音楽は無理にヘンに歌っているような気がする。
似ててもいいからすんなり歌えや、などと私は思ってしまう。
だって、複雑になりすぎて覚えられないのだ。
歌詞を見ながら聴いていても、何と言ったのかわからないときすらある。
おそらく、私が効いている歌など単純な部類のはずなのだが。
それに引きかえ、映画界は潔い。
過去の名作のリメイクばかりだ。
見る側にも、あの名作を現代の役者で、最高の技術で撮ったものを観たい気持ちがある。
一つ売れれば続編が出る。
シリーズ物は安心して観られる。
大体わかっているからだ。
あとは原作もの。
漫画や小説の映画化だ。
これも原作を知っていれば、映画はおまけみたいなものだ。
それでいいのか、映画界!
となると、一番元気なのは漫画だろうか。
なんだか次々と話題作が登場し、新しいアイデアがあふれている。
と断言してしまったが、実は最近の漫画は全然知らない。
なぜなら、漫画は早く読めるので次々と買うことになる。
お金が持たんのだ。
いろんな業界の悪口を言ったけど、
ブログのネタが浮かばんなあ。

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