タイヤキって尻尾まであんこが入っているものはあまりない。
尻尾まであんこが入っていればいいかというと、それは結構くどいものだ。
タイヤキとは「尻尾まであんこが入ってないぞ」と言いながら食べるものなのだ。
おなじように、暮れの大掃除とは完成することはない。
「ああ、今年もあそこが掃除できなかったなあ」
と反省しながらあきらめるのが正解なのだ。
実際、完璧に大掃除をし終えて新年を迎えた家が存在するだろうか。
いや、ない。
天井、網戸、風呂、換気扇、畳、カーテン、自家用車から、
テレビ裏の配線、引き出しのローラー、目覚ましのベルの裏まで磨いた人。
もしいたとしたら、今ごろすでに新しい汚れが気になっているはずだ。
暮れの大掃除はそんなに完璧にしなくてもいい。
なぜなら、年を越してからしかきれいにできないところがあるからだ。
私はすでにそういう部分の片づけに入っている。
まずはパソコン内のデータだ。
去年撮った写真、描いた絵、ネタなどをフォルダにまとめて、メモリーに移す。
大晦日に撮った写真や更新したネタもあるのだから、これは年を越してからしかできない。
これは正月休み中に、ああ去年はこんなこともあったなあ、
などと振り返りながら片づけるのがベストだ。
冷蔵庫の中を片づけるのも年を越してからがいい。
ともかく、餅、おせちの残り、お歳暮のおすそ分けなど、
なるべく早く消費してしまいたいものが、正月には大量にできる。
うっかり奥にしまい込んでしまったりすると、
暮れに「ばあ」なんて出てきてびっくりするのだ。
ウチの冷蔵庫は結構片付いていた。
正月はおよばればっかりなので、買い置きをしなかったのだ。
となると、古くからのレギュラーが目につくようになる。
実はウチの冷蔵庫にも大物が長く居座っている。
数年前にニンニクが豊作だったことがあり、
それを保存するために、しょうゆ漬けとオリーブオイル漬けの瓶詰を作った。
両方とも、半分ぐらい使ったところで、ふたが開かなくなった。
そのままおよそ二年、ずっと冷蔵庫の数%を占拠し続けているのだ。
これが今朝開いた。
冷蔵庫から出して室温に慣らしておいたら、なんとか開けられたのだ。
これで、こいつらも消費することができる。
ああ、めでたき正月。
さて、実家から持ってきたゴミだ。
捨てるものはさっそく捨てて、残るは農系のものばかり。
水苔や鹿沼土はちづるが持って行った。
肥料などは私が畑に混ぜ込むことになった。
腐葉土、鶏糞、油かす、土壌改良剤、化成肥料、石灰など、
使いかけの小袋がどっさりあった。
この中から使えるものをコンテナに出し、全部混ぜてこれから耕す予定の畝に撒いた。
これでものすごく片付いた。
あとは風で吹け飛んで行かないように、軽く土と混ぜ込むだけだ。
で、腰を痛めた。
ほうらごらん。
もし、暮れに全部やってしまっていたら、腰痛で年越しになるところだった。
だから大晦日までに片づけを終えてはいけないと言ったのだ。
ね。

↑格子戸をくぐり抜けクリックしてね。