昨夜は恒例『みそか寄席』の日。
夜更かししたので今朝はカレンダーで・・・
とはいかないのであった。
ああ、どうして28日に伝家の宝刀を使ってしまったのだろう。
※
シーズンはまだ終わっていないのだが、この時期になるとあちこちからトレードの話しが聞こえてくる。
今年のオフには、かなり大きなトレードが行われるようだ。
事の発端は“やゆよ”が持ちかけた合併話だ。
人数の違いは不平等であるという訴えは以前から言われていたことだ。
それによって認められた“わを”の吸収合併は業界を揺るがせた。
まず最初に動いたのは“あいうえお”だった。
“あいうえお”と言えば五十音を代表する行だ。
なにしろ、五十音のことを“あいうえお”というぐらいなのだ。
そのような大手はえてして無理なわがままを言う。
“あいうえお”は“ん”が欲しいと言い出した。
“ん”はこの世界では別格だ。
こんな要求が通るはずがない。
ところが、唯一半濁音を持つ大御所“はひふへほ”がこれを認めた。
もちろんこれには裏がある。
“はひふへほ”は“あいうえお”が“ん”を取り込むのを黙殺する代わりに、
“へ”と“う”との不平等トレードを了承させたのだ。
そのころ“さしすせそ”には悩みがあった。
『料理のさしすせそ』というが最後の『みそ』だけマ行じゃないか、と言われることだ。
そこで“み”と“そ”のトレードを持ちかけたところ、これを相手も受け入れた。
“まみむめも”は画数のごちゃごちゃした字が多く、さっぱりしたメンバーが欲しかったのだ。
「質素のそ」は願ってもないメンバーだ。
“まみむめも”と逆の考えを持っていたのが“なにぬねの”だ。
“なにぬねの”は“に”だけクルッとしたところがない。
チームの特徴として、クルッとした字ばかりで統一したかった。
そこで目をつけられたのが“る”だ。
クルッとしたところも大事だが、“なにぬねの”はそのナメヌメしたイメージを払拭するために、
“らりるれろ”の発音が欲しかったのだ。
さて、“わを”を引き入れた“やゆよ”はその後も活発に動いた。
まずは、“たちつてと”に声をかけ“つ”を手に入れた。
これで小さくなることのできる“ゃゅょっ”が勢ぞろいだ。
“たちつてと”がこのトレードを簡単に受け入れたのには理由がある。
“たちつてと”の濁音“ぢづ”は、さ行の濁音“じず”に使用頻度でまったくかなわなかったのだ。
さらに“やゆよ”は“いきしちにひみいりい”の文字を狙っていた。
ここでも目をつけられたのは、発音の小気味いい“らりるれろ”だった。
念願の“り”を手に入れた“やゆよ”は“りゃりゅりょ”を使うことができるようになったのだ。
ただし、あまりにもそれをやりたいがために、
“らりるれろ”に言われるまま“ゆ”を放出してしまった。
まさに本末転倒である。
この大がかりなやり取りの中で、唯一どことも接触できなかった“かきくけこ”は悔しかったのだろう。
“け”と“こ”を解雇してしまったうえ、全メンバー濁音となり、
“ぐ”が“け”と“こ”を兼任するかたちでその怒りを表した。
これだけの大移動が行われた結果、各個人もいろいろと自分が変わることを考えたようだ。
“あいうえお”に移籍した“へ”は得意技を生かし“ぺ”となり、
“ち”はもっともインパクトのある形“ぢ”でプレーすることを決めた。
さらに、どさくさに紛れて“はひふへほ”が外国人選手“-”を獲得したことも発覚した。
解雇された“け”と“こ”は“ん”の代わりに五十音外ということになった。
では、これらのトレードの結果を踏まえて、来年度の五十音を発表しよう。
あんいえぺお
がぎぐぐぐ
さしすせみ
たぢをてと
なるぬねの
はひふうほー
まそむめも
りゃわっよ
らにゅれろ
けこ

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