fc2ブログ
2013 06123456789101112131415161718192021222324252627282930312013 08
月別アーカイブ  [ 2013年07月 ] 

一粒のストーリー

お昼にラーメン屋に入った。
座敷もテーブルもいっぱいなので、カウンター席に座った。
そこからは厨房が見えるのだが、さすがにスタッフは大忙しだ。
まだ料理が出てない席も多く、これはしばらく時間がかかりそうだと思った。

こんな待ち時間に、私は雑誌を読むより厨房を見ているほうが好きだ。
働いている人たちをぼーっと見ていて気づいたことがあった。
ちづるに「おい」と声をかけると「うむ」という返事。
やはり気づいていたか。
店の大将のほっぺたにごはん粒が着いていることに。


スタッフは四人。
大将のほかに、調理をしている男の人と、配膳をしている女の子が二人だ。
男性調理人は調理に大わらわで気づいてないかもしれない。
しかし、女の子は気づいているはずだ。
面と向かって指示を受けたり、注文を伝えたりしている。

なぜ教えてやらない。
人間関係がうまくいっていないのか。
怖い人なのか。
確かに顔はちょっと怖い。
その怖い顔に、ワンポイントのごはん粒が目立っている。

ひょっとして、二人の女の子が押し付けあっているのか。
「あんた教えてあげなよ」
「やだよ、あんたのほうがバイト長いじゃん」
なんてやり取りがあるのだろうか。

自分では気づかないのだろうか。
厨房ってステンレスだらけで、結構顏が映る。
あーほらほら、その冷蔵庫にも。
ほらほら、そこのガラスにも。
とはいえ仕事がピークの時間帯に、その辺に映った自分の顏にニンマリするナルシストはいやだ。


それにしても、このごはん粒はいったいいつ着いたものなのだろう。
食事処は食事時間が一番忙しい。
自分たちの食事は時間をずらしているはずだ。
でも、私のイメージだと、忙しい時間が済んだ後で食べるのだと思っていた。
おなかいっぱいでラーメンを作る仕事なんかできないのではないか。

仕込みのときの味見だろうか。
ごはんの炊き上がりを見るために一口。
だがそれでほっぺたにごはん粒が着くだろうか。

家で朝ごはんを食べた時からだろうか。
だとしたら奥さんは教えてあげないのだろうか。
実は夫婦仲は冷え切っているのだろうか。
だから、怖い顔をしているのか。

あるいは結婚はしていないかもしれない。
顏が怖いからか。


そんなことを考えている間にラーメンが来た。
食べている間はおっさんの顔の飯粒のことは考えないことにした。

ラーメンをおいしくいただき、顔を上げると厨房に大将がいない。
レジのところでお客さんとにこやかに話していた。
どうやら顔見知りの人らしい。

あ、ごはん粒がない。
良かったねえ、教えてくれる人がいて。








↑88人の神様がかかわってるんだからクリックしてね。







まさか、継ぎ足し?
スポンサーサイト



[ 2013/07/29 06:34 ] ある日の出来事 | TB(0) | CM(9)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
    記憶を自在に操る一人暮らしの母のところへ通ったりもしてます。


    ※はじめてご利用のみなさまへ※
       ★おヒマならこみ箱★
     ★こんなんですがギャラリー★


    ↑いい人はクリックしてね。
    人気ブログランキングへ



月別アーカイブ
ブログ検索
ブロとも申請フォーム