年度末で月末で週始めで休日前で天気が悪いという忙しい日に上司Tが休んだ。
理由は、
「なんか調子悪い」
だ。
許さん。
こういう時、我が社ではややこしい駆け引きが始まる。
私の勤めている会社は数年前に二社が合併したため、仕事は分担して二箇所で営業している。
相手方の元社長が現社長になり、当方の社長は会長になった。
社長がいるのであちらが本社だ。
さて、上司Tが休んで私一人ではとても仕事が回っていかない。
こうなると会長が本社に連絡をする。
この仕事とこの仕事をそちらでやってくれと押し付けるのだ。
もちろん、私も「そんなのできない」と泣き喚く。
大抵は、わかりましたと気軽に引き受けてくれる。
しかし、なんといっても年度末で月末で週始めで休日前で天気が悪いという日だ。
あちらも忙しい。
どんな話し合いがあったかは知らないが、えらいところに落ち着いた。
社長が私を手伝いに来るというのだ。
以前から、こちらの機械を使ってみたいと思っていた社長。
私がいろいろ説明をして、上司Tの代わりをしてくれた。
おかげで仕事ははかどり、午前中の仕事はなんとかメドがついた。
ただ、私はとても疲れたのだ。
ところが、午後も三時頃、翌日納品の仕事がどっさり入ってきた。
お得意さんの一軒がまとめて注文してきたのだ。
О川、N岡と三人でどうなることかとヒソヒソやっていると、会長がやってきた。
「向こうでも無理なようなので私も手伝おう」
我が社の商品は紙だ。
会長が倉庫から注文された紙を出してきて、私がそれを切ることになった。
紙を切るといってもハサミでチョキチョキではない。
何百キロ単位の大きな紙を、巨大な機械でドガドガ切るのだ。
ペースとしては、切るより出すほうが早い。
私がヒーヒー言っていると、社長がやってきた。
「ボクも手伝おう」
こうして、会長が紙を出し、私が切り、社長が積んでいくというシステムが出来上がった。
この状況にО川もN岡も近寄ってこない。
「ちょっと一休みしよかー」
とも言い出せない。
夕方になってきた。
普段なら、あとは明日にしよう、となるところだが、
会長はどんどん荷物を出してくる。
社長は私が切るのを待っている。
いつものくつろぎタイムをたっぷり過ぎて、なんとか仕事が終わった。
ぜーはーぜーはー
上司T、やっぱり許さん。

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