私は毎日本を読んでいる。
といっても、ほんのちょっとずつだ。
会社で昼休みに、食事と昼寝のあいだの25分ほどだ。
となると長編のミステリー大作などはちょっと辛い。
読み終わる頃には、最初の方にあった伏線など忘れている。
そこで自然と短編ものを読むことが多くなった。
最近流行りなのだろうか、事件簿形式の短編シリーズミステリーが本屋さんに多い。
このパターンは、書く側にとっては大変だろうと思う。
まず、設定が魅力的でなかったら、面白いとは思えない。
かと言って突飛過ぎるとアホらしくなってしまう。
もちろん謎と解決は重要だ。
設定やキャラクターがどんなによくできていても、
誰でもわかる問題を難しいふりされたり、
ありえないような無茶な推理をされると、名探偵として見られない。
やっぱりアホらしくなってしまうのだ。
しかし、何よりもアホらしいと思ってしまうのは、
何でこんなにも“萌え~”な探偵役が多いかってことだ。
筆頭は、『ビブリア古書堂の事件手帳(三上延)』だろう。
本屋さんでも押し押しの人気らしい。
探偵役は古書店を切り盛りする極端な人見知りで髪の長いメガネっ娘。
で、すごくスリムなのに巨乳なのだそうだ。
同じく古書店が舞台となる『青林堂古書店へようこそ(乾くるみ)』の探偵は男だ。
そこに月一で通う常連の24歳の小学校教諭が謎を持ってくるのだが、
この人が美人でスタイルが良くて性格も明るいのだそうだ。
『珈琲店タレーランの事件簿(岡崎琢磨)』も探偵は若い女の子。
喫茶店のバリスタなのだが、小柄でアルバイトの女子高生かと思えるかの容貌。
だが、彼女が淹れるコーヒーは最高なのだそうだ。
そりゃ萌えてしまっても当然だ。
ちょっと違ったタイプの萌えキャラもある。
『凶笑面(北森鴻)』の現場は民俗学。
この探偵は大学の助教授で、短い髪をきっちりまとめた酷薄なイメージで、
背は高くスリムでモンゴロイドとはかけ離れた容姿だそうだ。
『奇談蒐集家(太田忠司)』で奇談の謎を解いてしまうのは、
身長170センチ、銅のような色の髪、カジノのディーラーのような衣装を着た、
中性的で冷酷なタイプ。
確かにこう言う種類のキャラクターでも萌えてしまうだろう。
今一番ヒットしているのは『謎解きはディナーの後で(東川篤哉)』だろう。
やっと文庫化されたので読むことができた。
これはコミカルな内容なので萌えではないと思ったが、
身分を隠した大金持ちのお嬢様で、もちろん美人だ。
ファンタジー系萌えといってもいいだろう。
『カラット探偵事務所の事件簿(乾くるみ)』も萌え~だ。
ああ、でも何も語れない
『ジョーカーゲーム(柳広司)』はおっさんに萌え~だ。
『三匹のおっさん(有川浩)』はおっさんじゃないところで萌え~だ。
しかし、ここしばらくで一番萌えたのは、連作ミステリーではない。
『押し入れのちよ(荻原浩)』のちよだ。
これはどこかの書評でも萌えられていた。
えーと、アホらしくなってきました?
たくさん紹介しましたが、全部が全部面白いわけではないのでよろしく。

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