『い』という文字はずるいと思う。
『あいうえお』では二番目にいて、『いろはにほへと』ではトップに君臨する。
数字の1も『い』で始まるし、アルファベットの『いー(E)』は五番目だ。
なんだか勉強とスポーツができて、男前で家が金持ちみたいだ。
特にひどいのは『いろは』に置いての破格の扱いだ。
これはどこかのお坊さんが日本のひらがな全48文字を一度ずつ使って文にしたものだ。
何から始まるかはそのお坊さんの一存で決まったわけだ。
現代で言うなら、ラジオの投稿ネタみたいなものだ。
これがなぜだかやたら流行った。
これを元にカルタができ、『恋のいろは』だの『いの一番』だのと使われ始めた。
しかし、私が思うに、どうもこの『いろは』というやつは不完全だ。
『ん』は最後に無理やりつけたようだし、
『い』は『つねならむういの』のところでもう一度使われている。
『やいゆえよ』の『い』なのだろうが、音が一緒だし、
古い字の出し方がわからないのも癪にさわる。
『むうい』の『い』は違う字だよ、と言いながら、
『けふ』と書いて『きょう』と読むのだよ、と自分勝手なことを言う。
これでは納得できない。
いろははもう時代遅れだ。
よし、それなら私が作ってやれ。
坊さんにできたのならヨンホンゲにもできるはずだ。
『やいゆえよ』は『やゆよ』にして、全部で46文字。
完成したのがこれだ。
『増える夢見て頭皮を揉むが、
なぜに弱りぬ四本の黒毛
過ぎたマッサーヂは怒られそやね、yeah』
『ふへるゆめみてとうひをもむか
なせによわりぬしほんのくろけ
すきたまっさあちはおこられそやね いえ』
なんとか髪を増やそうと頭皮マッサージをするが、なぜだか髪は弱っていくばかり。
だからと言ってやりすぎたら「やりすぎるから弱るのだ」とちづるにおこられるであろう。
というラップだ。
これを考えるのに日数で三日、トータルでおよそ4時間かかった。
こんなに暇なのは私か坊さんしかあるまい。

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