私の作業服のポケットには、いつもメモが入っている。
若草色の細長い厚紙をジャバラに折ったものだ。
これが案外便利で使い勝手がいい。
丈夫なので下敷きが要らないし、手帳よりはずっと薄い。
古くなったら新しいのと取り換える。
これに思いついたことを書きとめる。
ほとんどがブログのネタに関することだ。
書くことがないとこのメモを見てなんとかひねりだそうと考える。
朝、目覚ましが鳴って止めてを繰り返している時、
頭の中は、何を書くかで渦巻いている。
「メモになにかあったかな~」
と必死で思い出す。
で、なにか思いついたらそれを書かずにはいられない。
頭に浮かんだことを振り払うことができなくなる。
もはやそれを書くしかないのだ。
そのネタを、無理に押し広げ、
余分なものをつけて装飾し、薄めて量を増やすしかないのだ。
今、メモに唯一残っていた覚え書きは、
『獅子舞のさしみ』
旬は正月からしばらくのあいだだろう。
とりあえずは縁起ものである。
豪快にお頭をつけた姿造りにしたい。
お頭がないとなんだかわからないということもある。
まずはえらのあたりに包丁を入れる。
骨に当たったら背骨に沿ってしっぽまで開く。
反対側も同じようにして、三枚に下ろす。
このとき皮は剥がない。
薄くてはぎやすい皮だが、この皮の柄も縁起ものだ。
それにこの皮をはいでしまうとグロテスクになる。
骨は盛り付け皿に反った形に配置する。
その上に薄くひいた刺身を並べて盛り付ける。
頭の赤と皮の緑の対比が映えるように気をつけよう。
足が気になる人は取ってもいいが、通は足袋を脱がせるだけにするようだ。
最後に小太鼓と笛を飾って完成だ。
なお、お頭は硬くてあら炊きには向かない。
中身がカラである上に、外側は骨より硬い。
むしろ、そのまま飾りに使われる方が多いようだ。
そうそう、飾りといえば、天然の獅子舞を捕った人はよく魚拓を取りたがるが、
獅子舞は魚拓に向かない。
墨を吸って、せっかくの皮の柄が台無しになる。
片身だけ柄があればいいという人はそれでもいいが、お勧めは出来ない。
ともかく完成した時の美しさを考えるのが一番のポイントである。
こんなこと書いてなんになるのだろう・・・

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