今、日本の食品業界では、各メーカーが努力と研鑽を重ね、
消費者にとってありがたいシステムが次々と生み出されている。
冷凍食品やインスタント、真空密封にペットボトル。
これらのおかげで手軽な食事や長期保存ができるようになった。
しかし、これだけ保存方がいろいろ生み出された割に、
開封についてはあまり考えられていないのではないだろうか。
これだけ技術の進歩した世の中、もうちょっとなんとかなりそうなものではないか。
例えば、納豆やシューマイに付属しているカラシ。
小さすぎて持つところがないうえに、みっちり入っているので、
開封とともに水鉄砲のように飛び出す。
だから必ず指につき、それをなめてひどい目にあうのだ。
ゴマや海苔の袋は開封後も保存できるようにジッパーがついている。
だが、切り口から一気に切ると、袋がジッパー部まで裂けてしまう。
これで密封できているのか、あの部分から空気が入るんじゃないか、という心配とともに、
クチビルみたいなところまで裂けて痛そうだ、と感じてしまう。
これがまた、中身を使いきるまでそう思い続けるのだ。
そうめんやひやむぎの袋はきっちり入りすぎだ。
お菓子の袋みたいに、表と裏をつまんでパリッと開けたいのに、
開封口ギリギリまで入っているから袋につまむ余裕がない。
結局ハサミを出してきて切らなければならなくなる。
逆に味噌は袋が長すぎる。
目一杯入っているのかと思ったら、袋の余った部分が後ろにまわしてあるだけだ。
それを上に伸ばすと身長が一気に二倍になる。
そのはるか上の方に切り口がある。
味噌みたいにねっとりしたものはそこまで絞りだしてくるのが大変なのだ。
袋は長くてもいいから、もっと下に切り口をつけてもらいたい。
カップ麺は小袋が多すぎ。
ときどき出来上がってから、コショウの袋が浮いてるのを発見することがある。
八個入りのシューマイはなんとかならんのか。
半分使って残りは明日の弁当用と思っているのに、
ビニールの包装が必ず縦にまん中ぐらいまで裂ける。
端っこがピリッと開いたら、そのまま冷蔵庫に入れられるのに、
結局ラップを掛けなければならなくなる。
さて、ここまでは実はどうでもいいことだ。
文句はあるが、いずれメーカーが解決してくれるだろう。
ただ一つ、許すことのできないものがある。
佃煮だ。
コンブやアサリなどの佃煮の包装には悪意を感じる。
これらの真空パックは、味噌の場合と同じように袋にかなりの余裕がある。
つまり、中身は袋の片一方に寄っている状態だ。
で、どうしてその中身が寄っている方に切り口があるのだ。
そのまま開けたら確実に中身がこぼれるではないか。
ではどうするか。
袋をもんで、中身を切り口より後方まで移動させる。
これが空気が入ってないからやたらむずかしい。
すりこぎみたいなもので絞ってやりたいが、それでもコンブの破片や魚卵系の粒が必ず残る。
もうこのぐらいでいいか、というところまで具を寄せて開封すると、
袋が斜めに切れて、具がむき出しになってしまう。
こうなると、ちょうどこの量が納まりそうな小鉢にはうまく入らない。
もっと大きな容器を出してきて、なんとか中身を絞りだすと、
「え、これっぽっち?」
ってぐらいしかない。
ここで話はそれるが、先日、佃煮の詰め合わせをいただいた。
箱に四種類の物が入っていたのだが、一個とりだしてみたら、
なんとパックが中でブリッジしているではないか。
説明しにくいが、断面図でいうと、本来箱の中で、
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となっているはずの物が、
L∩∩」
となっていたのだ。
日本の食品メーカーで最も進んでいる技術は『上げ底』かもしれない。

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