体が衰えているのはわかっている。
小さい字は見えないし、筋肉痛は数日遅れてやってくるし、
膝のことを考えると怖くて小さな段でも飛び降りられない。
なにか普段と違うことをするたびに、
「こんなはずじゃなかったのに」
と年齢が増したのを思い知らされる。
居酒屋と宴会というダブルヘッダーをした翌日、
私は二日酔いではなかった。
朝食にはハムとチーズを挟んだベーグルサンドを食べ、
10時過ぎにはもうお腹が空いていた。
お昼は新しく発見したうどん屋さんに決めていた。
この間の日曜に行ってみたら満員だったのであきらめ、
今日は11時半に家を出た。
それでもほぼ満席で、私たちのあとに来た人は待たされていた。
このお店、元焼肉屋という建物なので座敷が大きく、
うどん屋さんにしては高級に見える。
高いのではないか心配していたが、メニューを見たらリーズナブルだ。
おススメの定食は、てんぷら五品とうどんと味ごはんと小鉢で680円。
カレー鍋焼きうどんなんて魅力的なものが780円だ。
初めてのお店ということもあり、私とちづるはエビ天の定食を頼んだ。
おススメの定食に巨大エビ天が二本ついて980円。
ほかにも、シシトウ、サツマイモ、大葉、ニンジン、シイタケのてんぷらがついている。
これなら店によっては1500円ぐらいとるところもあるのではないか。
エビ天はかなりコロモ部分が多い。
これは悪口を言っているのではない。
確かに見た目とのギャップはあるが、
この大きさでみっちりエビが入っていたらその方が驚きだ。
なにより私はうどんつゆになじんだコロモが大好きなのだ。
が、エビを一本と他のてんぷらをいくつか食べたころ、ちょっとしんどくなってきた。
なぜか子の定食、単品のうどんに入れるように天かすもついていて、
いらないと言ったちづるの分まで私は入れていた。
なんだ、私の胃はこれしきの油モノに対処できなくなっているのか。
ちづるが一本のエビ天に手をつけない。
いやな予感は的中し「あげる」と言われてしまった。
我が家では食べ物は残さないというおきてがある。
このおきてを政治的に解釈して、衣を脱がすことにした。
エビ天一本を残すことは許されないが、巨大天かすなら残してもよかろう、ということだ。
政治判断とは常にあとで非難の的にさらされる。
680円の定食でよかったのではないか。
余分な予算を使い、得られた満腹という効果には、胸やけというおまけがついてきた。
このあと、家に帰ってしばらくしたら気持ちが悪くなってきて、
夕方まで寝てしまった。
食欲はわかず、ビールは飲んじゃいけない気がする。
結局ごはんを炊いて食べたのは8時半ごろだった。
そのあと、胃薬を飲んで寝た。
このうどん屋さんの名誉のために言っておくが、
うどんは地元産小麦を使った手打ち麺でとてもおいしい。
若い者はどんどんエビ天を食べればいい。
そうでない人にはおススメ定食をおススメする。

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