上司Tが席をはずしている時に、O川が配達から帰ってきた。
「おらおら~、上司Tが買ってこいって言うからピーナッツ買ってきたぜ!」
「よし、では上司Tには内緒にしておこう」
「おお、それは名案」
というわけで、ピーナッツは秘密の場所に隠された。
すぐ上司は戻ってきたが、知らずに仕事をしている。
O川が再び配達に出て、私たちは一服することにした。
すると上司が、
「O川のやつ、オレが百均でラッカセイ買うてこいって言うのに行きやがらん」
と憤っていたので、
「あいつも言うことを聞かなくなった。もっと厳しく言ってやらんと・・・」
と言いながら、知らんふりでピーナッツを出して食べ始めると、
「どういうことやー!」
と胸ぐらつかまれた。
このように、職場には大抵お菓子が置いてある。
中でも人気はピーナッツだ。
お腹が減った時にはこれが結構腹にたまる。
ただし、食べ始めるとなかなか止まらないのが困りものだ。
私は今、花粉症のマスクをして仕事をしている。
その上に、耳まで布を巻いているので、マスクを外すのは一苦労だ。
これをずらしてピーナッツを食べるのだが、
何度もマスクをずらしていると、だんだんゴムが伸びてくる。
なので、一度になるべくたくさんのピーナッツを口に入れる。
私はこのピーナッツを歯の外に出す。
つまり頬袋や上唇の裏に貯めるのだ。
おそらくすごくヘンな顔になっているだろうが、マスクをしているからわからない。
めんどくさいマスクだが、この時ばかりはありがたい。
そして、一個ずつ歯の内側に「おはいり」と言って入れる。
まずは舌による面接だ。
できるだけ半分に割れている奴から部屋に入れるようにしているが、
最初のうちは混雑しているので思うようにはいかない。
一個のものであれば、当然まずは半分に割る。
するとどちらかに“ヘタ”がついていく。
左右をつなぎとめている蝶番的な部分だ。
これを取り外し、犬歯の先で細かく砕く。
その後いよいよ本体だ。
ふだん見えてない部分、つまり二つがひっついている部分の溝を確認する。
歯のとがったところを使い、その溝に沿って縦に割る。
左右が同じぐらいの大きさにできたか確認してから奥歯で噛み砕く。
すっかり形がなくなってから、次のやつに「おはいり」と言う。
私はこのように、なるべく長く持たせるように苦労しているのだ。
なのに上司ときたら、まるでシュレッダーのように無遠慮にバリバリ食べる。
で、一回袋に封をしては、すぐにまた開けてバリバリやるのだ。
「もっとゆっくり食え」
と言っても、
「べー」
と大人げない返事が返ってくるだけだ。
まあ、大抵上司が払っているのだけど。

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