家具屋さんに行ったとき、一番にぎやかだったのは学習机売り場だった。
春の入学に向けてシーズン真っ盛りだ。
オフィス化の進んでいない事務所のようにびっちり並んだ机の間を、
ハイテンションな子供と暗算をしている大人とちづるが行きかっている。
ちづるが欲しがっている引き出しというのは、キャスターつきのものなので、
学習机とセットになったものも見ようと混雑の中に飛び込んでいったのだ。
その間、私もなんとなく見てたのだが、今の学習机はすごい。
まるでコックピットとか要塞のようだ。
確か、私の頃は肌色のスチール製で、引き出し、本棚、蛍光灯で成り立っていた。
今、売り場に並んでいるのは、ほとんどが木でできている。
本棚は大小いろいろあって、正面だけではなく横にもついている。
先にも言ったように、引き出しは可動式で、高さ調節までできるようだ。
更に、タンスやベッドと一体になったものもある。
二段ベッドの下が学習スペースになっていて、もはや秘密基地のようだ。
狭いところに入りたがる猫と子供には最高の隠れ家だ。
おそらく、机メーカーにとって学習机は主力商品なのだろう。
他社より一歩先んじようとあれもこれもといろんな機能を詰め込み、
進歩、合体、複雑化の道を進んでいったのだ。
あと数年もしたら、ボタンひとつでロボットになるに違いない。
今、学習机は飽和状態だ。
もうプラスする機能はない。
体が大きくなっても使えるように、高さまで変えられる。
つまり、学習机がいらなくなるまでの生活は、学習机に収まるようになっているのだ。
衣・食・学習机なのだ。
では、私の衣食以外はどうなっているか。
勉強をしなくてもいい私、ランドセルも教科書もない。
塾も宿題もない。
ノートの代りにパソコンがあり、文房具もほとんど要らない。
なのにどうして机に全てが納まらないのだ。
どうして部屋があんなに散らかっているのだ。
と、脈絡のない動機で片づけを始めることにした。
いらないものを処分し、配置を効率よく変えよう。
部屋の真ん中に座り、30分ほど考えた。
アレを捨てるとアレもいらなくなるからアレをこっちに持ってきて、
アレをアソコに置きたいがそのためにはアッチのアレをどこかに・・・
長らく勉強をしてないからだろうか。
片付けに入る端緒が見つからない。
寒くなってきたのでコタツに入ろうと和室に行った。
ここも片付けなくてはならない。

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