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カーキ色のヘタ

数年前、私の両親が家に来た時のことだ。
母が突然お願いがあると言い出した。
「台所にある“ずくし”を食わせてくれ」
どうぞどうぞと勧めると、大喜びでズルズルすすっていた。

他所でどういうかは知らないが“ずくし”とは熟して柔らかくなった柿のことだ。
皮は濃いオレンジ色になり、ぶよぶよしている。
この間までウチにあった“ややずくし”をお見せしよう。

s-電子レンジ 001

裏返して指で割ってみた。
これはまだ形があるほうだ。

s-電子レンジ 002

ずっとずっと昔、近所で遊んでいると、渋柿の木にずくしを見つけた。
落ちる寸前の線香花火みたいにとっぷりしている。
よくぞカラスに盗られず、ここまで熟したものだ。
これが甘かった。
“ずくし”は普通の柿よりずっと甘い。


これが嫌いだという人がいる。
たとえばちづるは
「はなみずみたい」
といって食べない。

腐っているようなイメージがあるのかもしれない。
しかし、私の経験から言うと、柿は腐らない。
自然に割れてしまうまでは食べられる。
中身が半液体ぐらいにまで熟すと、少しアルコールっぽくなるが大丈夫だ。

上司Tは、あんまりどろどろはいやだけど食べる、と言っていた。
O川は、皮が手でむけるから食べるそうだ。
あとの人はほぼ食べない。
なぜだろう。


“ずくし”は店では売られていない。
天然モノで、肝臓にいい。
柔らかくて、糖度が高い。
渋柿のものなら無農薬で栽培できる。
しかもヘルシーで、もちろんB級だ。

ほら、こんなにも日本人の好きな要素が入っているではないか。
食べなさい食べなさい。
鐘が鳴るから食べなさい。





↑松尾芭蕉・・・だっけ?・・・もクリックしてね。





s-101125zukusi.jpg
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[ 2010/11/26 06:28 ] | TB(0) | CM(10)
プロフィール

こみ

  • Author:こみ
  • 三重県在住。
    妻のちづると二人でダラダラ暮らしています。
    晴耕雨読が理想です。
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